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2019年02月15日23:49

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日本史史料研究会監修・平野明夫編『室町幕府全将軍・管領列伝』(星海社新書、2018年)を読む

 日本史史料研究会監修・平野明夫編『室町幕府全将軍・管領列伝』(星海社新書、2018年)読了。文字通り、室町幕府の歴代将軍と管領、加えてそれに準じた人びと42名の列伝である。分量も相当なもので、500ページ以上ある。通して読むのに少し手こずった。

 この本の最大の魅力は、同時期の将軍と管領の動きを確認できることで、室町時代初期、前期、中期、後期、末期の政治状況が把握しやすい。特に、管領が制度として定着する前期以降の政治史は、通史でも詳しく扱うことがない。この間、将軍と管領の微妙なパワーバランスがどうであったのかについても触れることができる。
 また、応仁の乱前後には、将軍家、管領家の内部対立も恒常的になり、非常にややこしい。それでも、列伝の体裁を崩さずに描けているのは評価できる。

 ただ、誤字脱字が多く、変なところで改行していたり、文脈が通らない部分が多々あった。分量が多いので、編集や校正に割ける時間が限られていたとは思うのだけれど、せっかくの野心的な試みであるだけに、勿体ない。

 各人物の解説はそれぞれ独立してあるので、順番を気にする必要はない。個別の感想は、またおいおい書いていけばいいかなと考えている。

https://www.seikaisha.co.jp/information/2018/10/23-post-muromachi.html
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