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2020年07月10日00:20

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いわしアクション映画日記VOL.856『少林寺VS霊幻道士』

少林寺系の格闘俳優、ゴードン・リュウこと劉家輝(リュウ・チャーフィ)主演・監督による幻の日本と香港の合作となるホラーアクション。


売れないカンフー役者のスタントマンをしている大勇は新たなカンフー映画の撮影のため故郷の村に帰ってきた。
村では夜な夜なキョンシーが出現し、村民たちを恐怖のるつぼに落としていたが、元来霊的なものを信用しない大勇は騒動など無視し撮影を続けていた。
キョンシー騒動によって村人たちが怯えて退去していく事態の中、大勇の娘は撮影中にひょんなことから祠を壊してしまい、中から本物のベビーキョンシーを呼び寄せてしまう。

しかし友好的なベビーキョンシーは娘と仲良くなり、娘と友達になって姿の見えない大勇たちを悪戯していく。

だがこのキョンシー騒動には裏があった。
村を牛耳る悪徳村長が賭博場を作るため、村人たちを地上げで立ち退かせるために悪徳道士と組んで仕組んだことだった。
一向に立ち退こうとしないは邪魔な大勇達を殺すため、道士はその邪悪な法術により罠を仕掛けそのせいで大勇の妻が死んでしまう。

妻の死後失意にくれる大勇は仕事も辞め自堕落な生活を送りだしていた。
そんなある日、日本からカンフーの修行来たという女子大生の優子が訪ねてくる。
勝手に亡き妻の服を着たり、天真爛漫すぎるその姿に大勇は怒るのだが、純粋にカンフー好きな姿勢を見せる優子に大勇も少しずつ心を許し始めだす。

そんな優子も大勇の娘と馬が合ったことでベビーキョンシーが見えるようになり、ベビーキョンシーは娘に喜んでもらうため優子と大勇を好き同士にさせようと娘と画策する。

その頃悪徳道士達は村の計画の邪魔となるベビーキョンシーらを消そうとしていた。
道士はベビーキョンシーに封印の呪いをかけ、彼をさらってしまう。
大勇たちは彼の命を救う為に悪徳道士達に最後の戦いを挑むのだが…。

少林寺と懐かしのキョンシーものの融合というとんでも企画のTV映画作品。

80年代は『霊幻道士』の空前のヒットにより、日本でも『キョンシー』が一大ブームとなった。
それは亜流版である『幽幻道士』シリーズのヒットで本格化し、美少女道士テンテン役のリュウ・ツー・イーがアイドル化したTVシリーズ『来来キョンシーズ』が製作されるなど子供たちの人気アクション作品として認知されたのは記憶にある人も多いだろう。

本作はそんな大量生産されたキョンシーもののひとつであり、本格派のカンフースター、劉家輝が自ら監督まで務めた幻の作品として長らくお蔵となっていたレアものである。

全体的には禍々しいホラーさよりはベビーキョンシーとのほのぼの系コメディ色が濃い。
しかしそのベビーキョンシーや娘も言うほど可愛らしさはなく、かなり退屈した展開に思える。

ストーリー的にはグダグダ感が否めないが肝心のアクションは見せ場こそ少ないが道士と戦う劉家輝がいつもの少林拳で魅せる。
そして一番の注目は留学生役の工藤夕貴。
格闘シーンにおいても得意のバレエの経験を活かして見事な開脚蹴りを披露。
ラストでは劉家輝直伝の修行の成果となる柔軟性を活かした見事なキックをみせる。

意外に骨太なアクションはそこそこ見応えもあるが、それを加算したとしても全体的なストーリーや役者の素晴らしいくらいの大根ぶりが気になる。
そして途中に描かれる劉家輝と工藤夕貴の中途半端に安っぽい恋愛がさらに物語をダルダルにしてしまって非常にもったいない。

『少林寺』ものとして数々の名作をもつ劉家輝ではあるが、安いテレビサイズの映画だったせいか肝心のアクションはそこそこ見せてはくれるものの物足りなさが多分に残る。

作品自体の評価は微妙なとこだがそのお宝度は非常に高い作品であるといえるだろう。
マニアならおさえておきたい作品ではある。

評価…★★★
(つるんとした工藤夕貴のじゃじゃ馬ヒロインぶりは明らかに浮いてはいるのだが(^^;))

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