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2020年02月24日00:16

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きまぐれホラー鑑賞日記第112回『28週後…』

イギリスで『レイジウィルス』の感染が始まって28日後…。
ドンとアリス夫婦は感染者の襲撃を避けるため郊外の老夫婦宅に身を潜めていた。

そこに一人の少年が避難してくる。
少年の緊急性からアリスは彼を匿うがほどなくして彼を追ってきた感染者達が家に侵入。
老夫婦が襲われ、他の居住者が食いちぎられる中でドンはアリスと逃げようとするが、彼女は少年を庇おうとし屋敷内で離れ離れになってしまう。

次々と侵入し襲いかかる感染者を前に仕方無く彼女を見捨て逃げるドン。
彼が逃げながらも見た窓には自分が逃げていく様子を絶望視するアリスがみえていたが、次の瞬間には襲いかかる感染者の姿にかき消されてしまう。

猛ダッシュで感染者の襲撃を辛くも逃れたドンはロンドンのNATO軍の保護施設に匿われた。

そして感染から28週後…飢餓による感染者絶滅により安全宣言の出されたロンドンでは軍による復興が始まっていた。
ドンは修学旅行でイギリスを離れ難を逃れていた子供たちタミーとアンディに再会し母の訃報とそれまでの自身の苦悩を伝える。

施設による新生活にも慣れてきたそんなある日、アンディ達は家族の思い出の品を探しにいまだ危険区域とされている実家に出かける。
人の気配もない中で家の中から物音が聞こえるのだがそこには感染者に襲われ死んだはずの母アリスの姿があった。

急いで軍の医療施設に運ばれた彼女は衛生医と科学者によって調査されるが、なんと彼女は生まれつきレイジウィルスに抵抗力があり感染はしたものの発症しない保菌者だった。

彼女が生きていたことで不信感を露にする子供たち。
アリスが生きていたという知らせを聞いたドンは自責の念にかられ医療室で拘束されていた彼女に謝罪しキスをする。
しかし彼女のキスからドンはレイジウィルスに感染に発症する。
凶暴化した彼はアリスを惨殺し次々と施設内の職員たちを襲い感染者を増やしていく。

再度起こった感染に軍は緊急事態(コードレッド)を発令、感染者封じ込めにかかる。
しかし爆発的感染は止まらずやむなく軍は逃げ惑う一般市民を含めた無差別射殺を実施する。

一方タミーとアンディは軍医のスカーレットの指示で施設を脱出することに成功する。
一度は逃げ惑う群衆によって離れ離れとなるも軍の射殺命令を不服とし抜け出した狙撃兵ドイルの協力でロンドンからの脱出を試みる。

もはや感染者の封じ込めが不可能なロンドンはついに空軍による爆撃と毒ガスの散布が始まり再び死の街と化していた。
感染者の襲撃と非情な軍の掃討作戦により次々と失われる仲間達。
唯一の望みはドイルの友人フリンのヘリによる脱出だった。しかし幼き姉弟を助けるためにドイルは掃討部隊の火炎放射器によって殺され、スカーレットも軍の掃討作戦の手を逃れたドンにより殺害されてしまう。
そして唯一生き残った幼き姉弟に凶暴化したドンの魔の手がせまる…

感染者をゾンビテイストに仕上げ、猛ダッシュゾンビホラーという新たなジャンルを確立させた『28日後…』の続編。

荒廃感と人間の狂気のドラマが主体だった前作と比べると今回は肉を喰いちぎるシーンなどがありより分かりやすいゾンビチックなパニックらしさが強まっている。

さらにグロ描写に関しては前作よりもパワーアップ。
前半では感染し発症したたドンがアリスを惨殺するシーンでは指で目をえぐるという残酷さが際立つが、本編最大の残酷シーンは後半の感染者対ヘリの場面だろう。
始動するヘリの羽根で次々と感染者達をバラバラにぶった斬るゴア描写は近年一般公開されたゾンビホラーでも屈指の残酷シーンである。

ストーリー的にはいわゆるホラー映画の定説を覆すパターンが新しい。
何せ前半早々に主役はゾンビ化。その他主役級のキャラが次々と無残に死ぬというのはなかなか斬新。
そしてそれ以上に際立つのが勝手な人間の狂気。
単純にいうと今回の感染拡大は警告も聞かず勝手に危険区域に入った姉弟の身勝手さから始まったもので、さらに軍の警備を無視して勝手に妻と接触したドンから爆発的感染を引き起こされたもの。
実はこの親子のおかげでロンドンが再壊滅したといっても過言ではない。

折しもこの作品が今話題の『新型コロナウィルス』の状況にリンクしていることもあり、ある意味本作がパンデミックの末に起こりうる恐怖の可能性を示唆しているようにも思える。

自分勝手な判断で人類を危機に追い込んだという事例に観客が主人公たちに感情移入できるかは別だが、昨今の状況に危機感を覚える人もいるだろう。

しかし作品としては感染系パニックホラーとしてはスピード感もあり途中も飽きることなく観れて面白い。
ハイスピードで襲いかかる21世紀ゾンビものの最高峰としてオススメしたい作品である。

残酷度…★★★★

評価…★★★★
(息つく暇もないほど猛スピードで襲いかかる感染者の恐怖は前作以上。特に今の時期は怖いですよ(^^;))
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