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2019年11月20日23:45

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いわしアクション映画日記VOL.796『ジェネックス・コップ』

ジャッキー・チェンが製作に携わり、ジャッキーの次世代の俳優達が参加した格闘アクション。

大量の爆弾を強奪したテロリスト赤虎を追うチャン刑事は神出鬼没彼を逮捕するために起死回生の潜入捜査作戦を計画する。
そのプロジェクトに警察学校を落第しかけていたジャック、マッチ、エイリアンが潜入捜査官として選ばれる。

ノリ気はないものの昇格を餌に捜査に参加した3人は何とか中国マフィアのダニエルのチームに紛れ込むことに成功する。
頭角を現し始め、ダニエルの信頼を得る彼らだったがチームは敵対組織の抗争に巻き込まれていた。
やがてその抗争を仕掛けた黒幕が赤虎であることを知る3人。

チャンと連携し、取引現場で組織を赤虎ごと一網打尽にする計画をたてるが、察知していた赤虎は最初からダニエルらを裏切り、彼を殺害。
さらに追ってきたチャンを返り討ちにしてしまう。

辛くも命拾いした3人であったが、チャンの遺志を継ぐべく赤虎への復讐を決意する。
そんな中赤虎はコンベンションセンターでの各国要人暗殺の爆破テロを計画していた。
狙われた要人や一般の何千人もの命を救うため3人は彼のテロ計画に立ち向かうのだが…

ジャッキーの後継者を決めるという触れ込みで製作された激しいポリティカルアクション作品。

主演を務めるのは当時アイドルとして活躍していたニコラス・ツェー、スティーブン・フォン、サム・リーの3人。
アイドルとしては既に一定の人気のあった彼らがみせる生身の危険スタントアクションの数々はさすがはジャッキープロデュースなだけある。

前半は3人の軽いノリが少し空回りしてる印象で主体で多少退屈な所もあるが、後半になってン・ジャンユーらと絡む大規模銃撃戦から怒涛のアクションが釣瓶うちとなる。
特にラストで舞台となるコンベンションセンターでの敵役仲村トオルとの格闘戦やクライマックスのビル丸ごとの大爆破はアクション大国本オンらしい非常に危険で見応えあるものになっている。。

出演者の顔ぶれからしたら本作はともすれば生ぬるいアイドルアクション映画になるところだったのだが、そこに陥らなかったのはひとえに脇を固める俳優のクォリティーの高さと真摯なアクションへのチャレンジ精神がある。

競演陣で注目なのは冷酷非情な悪役を演じ出世作『ビーバップシリーズ』以来の凄みある格闘アクションを見せた仲村トオルやドジだが正義漢に熱く憎めないチャン刑事役のエリック・ツァンが印象的。
そして何よりも敵対しながらも義理に厚いマフィア役のン・ジャンユーの佇まいがが良い。
また同じ次世代俳優としてジャッキーの秘蔵っ子と呼ばれた『ダニエル・ウー』もキレた演技で凄みを見せてくれている。

本作はいわばジャッキーによる新人アクションスターの発掘といった意味合いの作品であるが、のちに彼らがこのアクションで認められ、ファンの間ではニコラス・ツェーらを『ジェネックス世代』と呼ぶのはかなり後になってのこと。。
香港アクションの課題としてジャッキーは自身の次を担うアクションスターの発掘・育成を長らく挙げていたが、アクションの層が厚いとされる香港映画ですらもなかなかジャッキーを超えるような逸材は現れないのが現状である。。

そんな中であのジャッキー・チェンもラストに特別ゲスト出演して自らの作品をパロった台詞を披露。
その彼の登場の仕方はジャッキー映画ファンなら思わずニヤリとさせるおいしい見せ方である。

チラシの宣伝文句にある主役のニコラスを第2のジャッキーに指名!!というのは内容的にも少々誇大宣伝は感じ得ない。
ただし危険スタントにも妥協しない彼らのアクションは少なくともジャッキーイズムは感じられ、有象無象にある香港アクションの中でもとりわけ満足度は高い作品といえる

評価…★★★
(日本から参戦した仲村トオルの鬼気迫るアクションだけはどんな次世代ジャッキーにも負けない迫力でした。)




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