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2019年11月17日22:47

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きまぐれホラー鑑賞日記第105回『ザンゴリラ』

学生新聞部のサムは学園施設内で密かに行われていると噂される実験動物の虐待事件について調べていた。

件の噂の元凶である研究所のエセリッジ博士はヒヒを実験体として脳障害の生体実験を行っていたが、実験体のサルは副作用によって発狂・凶暴化してしまっていた。

そんなある夜。スクープを狙うサムの友人ダフィは研究室に忍び込み、実験の証拠を撮影するのだが、そのカメラのフラッシュに驚いたヒヒがダフィに噛みつき、逃げてしまう。
逃げ出したヒヒは警備員と駆け付けた警官にに追われ、パトカーのフロント強化ガラスに激突し死亡するが、その夜からダフィは体調を崩してしまう。

その後学校へと登校したダフィはサムの彼女のルームメイト、デビーが学園内でも悪名の高い男にナンパされているところを助ける。
体調が悪い中でも彼には人間離れした怪力がいつの間にか備わっていた。
デビーはそんなダフィに惹かれ、勢い任せに付き合い始める。
無人のプールで欲望に任せてキスをする二人だったが、興奮したダフィは思わずデビーの首筋に噛みついてしまう。

翌日、一向に良くならない体調に病院へと行くダフィであったが、突如激しい凶暴性に目覚めると、職員や警官たちを襲い次々と殺害。
その顔も二目と見れぬ醜悪なものになってしまう。
一方でダフィに噛まれたデビーも発症し凶暴化。先日彼女をナンパしようとした男が仲間を引き連れて彼女を拉致しようとするが、凶暴化した彼女に返り討ちにされ、噛みつかれてしまう。
そして逃亡した彼女もまた学園内にいる生徒たちを次々襲い毒牙にかけていく。

騒ぎを知ったサムは暴れまわるダフィのもとへと駆け付けるが、もはや彼は止められなくなっていた。
わずかに残る人間性で我に返ったダフィはサムに自身を殺すように懇願、同じように凶暴化したデビーを救うように頼むと彼の銃口の前に倒れる。

彼女と共に暴れるデビーを何とか捕まえたサムは博士のもとに解決策をもとめ、訪ねるが博士は実験体のヒヒの代わりにデビーを新しい研究材料にしようとしていた。
その隙をついたデビーは博士の片目を食いちぎると何処へと逃亡する。

その夜、学園ではハロウィンパーティーが行われていた。
学生たちが思い思いの衣装で楽しむ中でデビーに噛まれたナンパ三人組は発症し、さらなる犠牲者を増やそうとその姿を隠すためにドクロの衣装でパーティー内に侵入する。
しかしデビーを見つけ戻ったサムもパーティーに参加、三人の感染者の凶行を止めるためにデビーと共に立ち向かう。

血生臭い決闘が繰り広げられる中でサムは感染者二人を何とか殺害することに成功するが、最も凶暴化したデビーをナンパした男がデビーを八つ裂きにして殺害し迫る。
サムは恋人のローレンを守るために立ち向かうのだが…

邦題のインパクトが抜群なB級感満載の学園ゾンビホラー作品。

題名からしてその当時にヒットしたゾンビ映画『サンゲリア』から拝借したものと思われる。
サルを媒介にしたパニックホラーといえば有名なのが『28日後…』であるが、本作はそんな世紀末感は全くなく、学園内のこじんまりとした世界で繰り広げられている。

大まかには冒頭のシチュエーションが『28日後…』であって主となるストーリーはハエ男の悲劇を描いた『ザ・フライ』の劣化版といったところか?
一応怪物化による悲劇性を持たせようとしている節はあるものの、残念ながらその描き方が稚拙なため中途半端感は否めない。
ゾンビ化といっても正確には感染者扱いで『ザンゴリラ』と名前にはあるものの実際にゴリラは関係なくゾンビとサルの掛け合わせのようなクリーチャー感もないのでその点は期待はしないほうがいいだろう。
重度のニキビがつぶれたようなメイクでゾンビ感もイマイチである。

残酷描写についてはそこそこに頑張っているところもある。首チョンパやローラーに巻き込まれてつぶされる描写、目を食いちぎるといったところはB級にしてはレベルが高い。
それもそのはずで本作は『エイリアン』や『E・T』を手掛けた特殊メイクチームが携わっているのだが、この辺りは見どころである。

このマニアすぎる作品を監督したのがのちにモンド映画の極致である『食人族』をはじめとする『食人シリーズ』を製作したウンベルト・レンツィ。
ゾンビ映画のパクリもので知られるブルーノ・マッティやエログロ残酷作品の巨匠ジョー・ダマトらと並ぶマニアックホラーの大家である。
彼の作品にしては本作はいささかさわやかさは残るが、それでもイタリア式のエログロさは十分に堪能できることだろう。

未DVD化でしかも廃盤扱いで入手はかなり困難ではあるが動画としては残っているので、B級ホラーファンであればおさえておきたい珍作といえる。


残酷度…★★★

評価…★★★
(題名はいかついけどクリーチャー感はあまりなし。マニア心はくすぐりますけど(笑))
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