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2019年09月20日23:29

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きまぐれホラー鑑賞日記第100回『デモンズ2』

ある高層マンションの一室。
今日が誕生日のサリーは友人が自身の誕生パーティーを開いてくれたにもかかわらず関心薄げな友人たちに機嫌を損ねて部屋に閉じこもっていた。


苛立ってつけたテレビでは、ちょうど『デモンズ』というホラー映画が放映されておりその不気味な内容にサリーは引き込まれるように見入っていた。
映画はとある廃墟の街に迷い込んだ若者たちが悪ふざけから預言によりデモンズが復活させてしまい、逃げ惑う若者達が襲われるという内容であった。

リアル感あふれる演出に食い入るように観るサリーだったが、次の瞬間映画の中のデモンズは画面に向かって走るとテレビの画面からなんと実体化し、サリーに襲いかかる。

隣の部屋では誕生パーティーがクライマックスを迎えようとしていた。
閉じこもっているサリーを友人たちは呼び込むが、サリーはそこでデモンズ化し、次々と友人達を惨殺していく。
そして彼女から吹き出る血が床を腐食していき、ビルの階下へと広がっていく。

一方ビル内に住むジョージは妊娠中の妻ハンナのためにサリーの部屋へ向かう途中、停電がおこり乗り合わせたコールガールの女性とともにエレベーター内に閉じ込められてしまう。
必死に助けを呼ぼうとエレベーターのドアの隙間から見えた光景はまさに凶悪な形相で人々を襲うデモンズの群れだった。
セキュリティによって閉じ込められ、脱出不可能と化したマンション内でデモンズの犠牲者が次々と増える中、生き残った人々は地下駐車場へと逃げ込んでいた。
しかし地上への扉は厚く閉ざされ、逃げ場のない中抵抗もむなしく増え続けたデモンズ達の餌食にされてしまう。

一方部屋で待つハンナはデモンズ化した階上の子供に襲われる。抵抗すると子供の背中から禍々しいものを漂わせた悪魔の子供が生まれ、ハンナに襲いかかる
ハンナの危機を感じたジョージはデモンズ化したコールガールの攻撃を何とか切り抜け部屋と戻る。
そこでは子供デモンズから生まれたアキロンの大王にハンナが襲われようとしていた。間一髪アキロンを倒したジョージは地下より襲いかかってくるデモンズ達をガス爆発で一掃する。
身重のハンナを気遣いビルの外へ脱出するジョージ。だがデモンズの恐怖はまだ終わってなかった…

前作のヒットを受け製作された『デモンズ』の正当な続編。

閉鎖的な映画館が舞台だった前作から今回はハイテクセキュリティーの高層マンションを舞台に増殖していくデモンズの恐怖を描く。

映画の放映がデモンズのきっかけというのは前作を踏襲しているが、今回はなんと日頃見ているテレビの画面からデモンズが登場する。
テレビから現れると恐怖はといえば『リング』の貞子が有名だが、これに先駆けること10年前に既に実写化する怪物というこの作品で実現されていた。

ダリオ・アルジェントが監督し、残酷な中にも色彩にこだわりのあった前作に対し、今回は全く直球勝負のゾンビサバイバルホラーとして描かれている。
よってハイスピードで襲ってくるデモンズには前作よりも怖さが増している。しかも今回は血を浴びるとデモンズ化するという要素が加わり、これがもとで醜悪な子供デモンズや犬デモンズといった変わり種が発生している。
特に子供デモンズの退治シーンはなかなか残酷で今では決して映倫許可は下りないだろうシーンだ。

さらに前作でも話題となった変身シーンだが今回はデモンズの造形も予算の都合か幾分安くなった印象。
まるでキモかわいい路線を狙ったかのような『アキロンの大王』のビジュアルはちょっと浮いてるぐらい安っぽく、賛否が分かれそうなところ。

また本作にはデビューしたてのダリオ・アルジェントの娘、アーシア・アルジェントが出演し、ホラークイーンとしての見せ場をつくっている。

終末的思想漂う前作とは変わってとにかく哲学的要素を一切捨てエンタメ重視のジェットコースター的なサバイバルホラーに仕立て上げた本作。
ファンの間ではその仕上がりは賛否分かれる作品だが、素直にホラーとしては楽しめるものになっている。
まあかなり途中で強引なご都合主義的な所もあるが…



残酷度…★★★

評価…★★★
(正当なデモンズの続編はこれのみ。貞子より先にテレビ画面から登場とはやりますね〜)



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