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2020年01月20日18:42

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B級映画感想 『26世紀青年』

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 もう古い映画で、馬鹿映画まるだしのB級映画だが、これが本当に面白かった!
 馬鹿馬鹿しいし、ふざけきった映画だが、皮肉が風刺とお馬鹿感満載の、それでいて、本当にこんな馬鹿な世界がやってくるのではと思える映画である。

 時は現在、賢い人間たちは、結婚しても、将来や財力を考えて子供を作る事を考えて行動するが、馬鹿は将来も金の事も考えずに、ヤリまくって、お馬鹿な遺伝子の子供が増えていく。
 その事を不安に感じた米国政府は、優秀な遺伝子を残すために、コールドスリープで優秀な遺伝子を残そうとするが、実験として、米軍の物凄い知識も体力も平均値の、ジョーという男にコールドスリープの実験に使おうとする。
 一人呑気に簡単な作業を行う仕事に慣れていたジョーは断るが、 これまた平均値の娼婦のリタと共に、一年の冷凍睡眠に入る。
 その直後、この計画の責任者が、娼婦を使った不祥事がバレて逮捕され、この実験も忘れられて、誰もがコールドスリープの機械を忘れ去られていた。
 そして、時代が流れ、危惧した馬鹿の遺伝子ばかり増え、26世紀には馬鹿ばっかりになった世界。
 世界中はゴミをゴミ箱に捨てるという基本すら知らず、街にはゴミの山が(比喩ではなく本当に山!)崩れ、そこに捨てられたコールドスリープのベッドが雪崩で地面に落ち、作動しジョーは目覚めた(笑)
 目覚めた26世紀は、派手な看板が並び、汚い言葉や放送禁止用語やスラングが並び、店の名前もその言葉ばかりの名前ばかり。
 街行く人々も、そのような言葉で喋り、普通の言葉を喋るジョーは気持ち悪がられてしまう。
 下らない理由で逮捕され、刑務所に送られるジョーだが、刑務所での知能テストはチンパンジー の知能テスト並み。
 看守も馬鹿だらけなので難なく脱出するジョー。
 自分を弁護した弁護士を頼り、(ジョーが有罪になった時手を叩いて喜んだ馬鹿)タイムマシンがあると聞いてタイムマシンで自分の世界へ戻ろうとした時、まだ26世紀と知らず、馬鹿な男を相手にたぶらかして生計を立てているリタと再会する。
 だが、警察は刑務所の知能テストで、優秀な(笑)成績を出したジョーに目をつけ、大統領自ら(AV男優にしてレスラー、演じているにはなんと、エクスペンダブルズでシーザーを演じているテリー・クルーズ!)現在の食糧危機や社会問題を解決するように(物凄い馬鹿丸出しで)頼み込む…… ってか、脅迫してきた。
 食物が全く育たない理由を調べると、なんとこの時代は、水は汚いもので、植物にもスポーツドリンクを与えていたのだ!
 企業の差し金で、水よりスポーツドリンクの方が身体に良いとされ、赤ちゃんにもミルクよりスポーツドリンクを与える世界!
 こんな馬鹿な世界をジョーはどうするのか?

 …… 本当にブラックジョークと風刺の効いた映画で満足しました!
 26世紀のアカデミー賞を総なめした映画のタイトルが『ASS(ケツ)』で、90分間、野郎のケツだけがアップで映り、時に放屁を混ぜるという映画。
 スポーツドリンクの塩分で植物育たないと言っても理解出来ない未来人に、
「俺は植物と話が出来る。植物は水を欲しがっている」
といえば、信じる未来人w
 …… だが、今となっては笑えない。
 米国ではピザ会社が、ピザを売るために、医者を買収して、ピザは野菜と認定されている。
 まだケツの青いガキを使って、環境問題を利用し儲けようとする人々や、政治を動かそうとする者もいる現実社会も、あながち、この馬鹿な未来と似通っているところがあるのに驚く。
 雑誌や広告だけで知識を得ようとしない現在社会を見事に皮肉っており、主人公のジョーもそういう人間だったのが、26世記の世界で、それがどういう結果をもたらしたのかに愕然とするのだ。
 こんな馬鹿な世界が本当に来るかも知れない。
 某バラエティ番組でも、若者たちがアナゴの姿を知らなかったり、鳥肉って、何の肉かわからなかったりするのもあるが、今の時代、加工された肉や魚ばかりなので、知らない若者がいても不思議では無いと思っていたが、広告と雑誌だけの詳しく知ろうとしない現在社会を考えると、この作品はそれを皮肉った映画であったのだ!

 ラストは救われるし、馬鹿な社会から抜け出そうとする未来が見えるし、ジョーが過去へ帰ろうとしたタイムマシンの正体も、この馬鹿な世界を象徴するようで好きなオチだったw

 トランプが大統領になった時に、馬鹿が大統領になった。
 この映画は未来を予言していたと米国で話題になったが、監督は、
 「予言は外れているよ。僕は五百年後の世界だったけど、現実は数年で訪れたんだ」
と、皮肉っていたそうだw

 もし、無料動画かレンタルビデオ屋であれば、お薦めします!
 この皮肉たっぷりのお馬鹿映画は、本当にお馬鹿な世界を痛烈に風刺しながら笑い飛ばす傑作である!

 …… ただ、映画の邦題、何とかならんか……
 
 

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