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2019年11月18日20:35

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映画感想 『ウトヤ島、7月22日』

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2011年7月22日ノルウェーで実際に起こった事件。ウトヤ島の悲劇の作品。
ドキュメンタリー映画ではないし、POV映画でもない。
登場する人物は架空の人物であり、実際に事件の被害者でもない。
97分の映画のうち、残り72分はワンショットでここからの映像は本当に緊迫感と、こちらも声を出せそうにない緊張感がある。

2011年、7月22日。
ノルウェーで起こったオスロでの政府庁舎爆破テロ事件。
爆破テロの後、犯人は警察の服に着替えて、ウトヤ島へ向かい、ノルウェー労働党青年たちが行うキャンプ場に向かい、警察の姿で安心させ、そこから乱射し77人も殺される最悪の乱射事件。

電波状態が悪く、母親と連絡が付かないヒロインのカヤは、オスロで何か事件があったのかと思う。
妹エミリエのだらしがなさに、ギクシャクし、エミリエをテントに置いたまま友人たちとバーベキューを楽しもうとしている時、悲鳴と甲高い音と共にキャンプに来ていた若者たちが逃げてきた。
…… 悲劇が始まる。
何者かが銃を乱射しながら、無差別殺人を開始したのだ。
建物に逃げ込んだカヤと仲間。
しかし、建物も安心ではなくなり彼らは逃げ出し、テントに残してきた妹を心配するカヤ。
ここからの息苦しい緊張感あふれる展開が続く。
実際に起こった事件の生き残った若者たちからの証言を元制作されただけに緊張感がすごい。
ワンショット72分の時間も、乱射事件の時間と同じなのも偶然ではないだろう。
全く犯人と接触しない展開も、リアリティがあるし、銃声響く中、逃げ場のない島で怯える描写は見ていて息苦しい。

……ただ、カヤの行動が少しイラついた。
妹の心配をするのはわかるが、行動がいちいち凶悪犯のうろつく島で行う行動とは思えないし、怪我した人を助けようと助けを呼びに行くと言いながら、逃げる人々を全く止めようともせずにいるのもなんかおかしい。
近くに殺人鬼が居るかも知れないのに、死んだ人間の元でそばで長い時間泣き崩れていて、友人がやってきて、その友人が死んだその人と知り合いで呆然とすると、
早く逃げないとと、催促するのは、正直ツッコミ入れてしまった。

だが、しっかり者の姉のカヤとだらしがない妹のエミリエの衝撃的な結末で、
 「…なるほど」
と、思わされた。
いや、テンポは遅いのに、それが逆に緊迫感があったし、犯人がわずかしか画面に出て来ないのも、リアリティがある。
ジェイソンみたいにポンポン出てくるより本当に怖い。

衝撃の実話。
衝撃の結末。
ワンカットが始まってからの息苦しい緊張感は凄い映画である。


…… ただ、字幕スーパーで見て欲しい。
吹き替え版の吹き替え声優が、この事件より悲惨な状況だからだ。

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