2019年 英
もしこの世界でビートルズの楽曲を知っているのがアマチュアギタリストの自分だけだったら、どうする、どうなる。そういう荒唐無稽な設定で起こりうるハートフルなコメディ。まずそういう仮定を思いつかない。仮にそれを思いついてもバカ話で終わる。それを映画にまとめたのだから大したものだ。
アマチュアの少々下手な演奏をネット配信すること(その世界にyoutubeは存在する)、大手レーベルが巨大なマーケティングを仕掛けてくることなど現代的。ストロベリー・フィールズ孤児院が解体されていたり、エリナー・リグビーの墓が打ち捨てられていたりペニー・レインが工事中だったりとシニカルでもある。ビートルズを結成しないまま老いたジョン・レノンを訪ねるシーンもある。ビートルズにこだわりのあるファンなら文句の一つもあるだろうが、わたしのようにさほど詳しくない人は楽しめた。
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