T-62を作った時に、手についたファレホのサフプライマーが3日立っても剥がれない事で、飛行機モノの下地に使えるかと期待しました。
結果から言うと外れでした。
手に付いた物が剥がれなかったのは、塗膜の横の連携(塗膜樹脂の粘り)が強く、ビニールのような柔軟性を持っていたためのようです。
そのため、皮膚の動きに追従可能で、表面への食いつき自体が弱くても剥がれ落ちなかったと言うのが真相のようです。
逆に言うと、横の連携が強いため、ペーパーがけで塗膜が削れて、下地のプラが顔を出すような状態になると、プラ面への食いつき自体は弱いため縁の部分がまくれて剥がれる状況が生じ、それがビニールのような粘りで周囲に波及して、ペーパーがけに連れて塗膜が広く剥がれる事態を生じさせます。
実際、端のマクれをピンセットでつまむと、びにょーん、と伸びながら全体を剥がすことが出来てしまいました。
一方、同系の水性塗料のAMMO by Mig のワンショットプライマは、まだ横の連携が弱めで、従来の溶剤系サフに近い使い方ができそうです。ただし、素材面への食いつき自体は決して強くはないので、表面のペーパーがけは注意して弱めの力でやる着意が要ります。
以前から、レジンなどに水性塗料が「食いつきが良い」と言われていましたが、実際の所、水性塗料は柔軟な樹脂でパーツ全体の周囲を覆うことで、横の連携で塗膜の損傷が防がれているのが実態で、素材表面への食いつき事態は本質的に弱いのでは?と感じました。
実際にT-62の塗装時は、金属製の砲身の塗装の時に盛大に指紋を付けてしまい、全面的に剥離を行ったのですが、塗膜を破り一部をまくってしまうと、皮を剥ぐようにぺろりとむけてしまいました。
ラッカーなどのサフだと、樹脂が固く、横方向の連携(粘り)が弱いため、レジンなどの食いつきに難のある素材への塗装では、衝撃を与えると塗膜が欠けることで部分剥離が起きるのに対して、水性塗料は全体被覆と塗膜樹脂の粘りにより塗膜の欠けを防いでいた結果、食いつきがよいと思われていたのでは?と推測します。
ワンショットは何とか使い物になりそうですが、食いつきの弱さは課題です。
1枚目写真はイタレリのEF-2000のガンバルジ。キットのままだとでっかく張りすぎでまるで似てないので、ほぼエポキシパテの塊で作り直し。
なお、ハセガワのキットのこの部分は逆で、まるでボリュームが足りないので、こちらもエポキシパテで加工(2枚目)。ハセガワのキットにパテ盛って加工って初めてやった。
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