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2020年06月07日09:34

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T-55とT-62

 そもそもはコレをやりたくてほぼ同時期に二つを買ったンですが、今まで伸びてしまいました。

 戦後ソ連戦車の主力をになったT-55と、その後継のT-62の3次元的な比較。

 こうしてみると、単体ではなんだか強そうに見えないT-62が明らかに、T-55を拡大して戦力を上げている事が見えてくる。

 基本フォーマットを踏襲しつつ能力を上げて姿が変わっていて、ガンダムで言えばT-55がザクで、T-62はグフと言った感じでしょうか。

 細長く見えるT-62の車体は実際には全長だけでなく幅も増えていて(長さ38.6cm、幅7cm増)大型化している。しかし、総重量を抑えるために車体の装甲は僅かに薄くされている。

 車体サイズ変更の主目的は115mm滑腔砲の搭載であり、T-55の100mmライフルよりもスペースが必要で、砲塔リング直径が42cm拡大されている。

 主砲の更新は、第二次世界大戦における戦車戦の交戦距離の分析に基づくとされ、比較的近距離における戦闘を重視し、砲弾の初速を上げる事を目指したためとされる。近距離で初速が早ければ、弾道の落下の影響が少なく、弾道が低伸し、複雑な射撃管制を要しないという面で、兵器の簡便さを求めるソ連の方針に合致していたとか。

 APHE(徹甲榴弾)を主用するT-55の主砲は、太く短い弾を安定して飛ばすためにライフリング(旋転する溝)が砲身内に切られている。しかしこのライフリングが発射時の摩擦抵抗を増やし、砲弾の速度を殺していた。

 APFSDS(翼安定装弾筒付徹甲弾)を主用するT-62の主砲は、その細長い矢のような形をした弾の特徴から、砲身内にライフリングが切られていると、逆に弾の回転によりスリコギのような運動を起こして弾道が乱れる。そのため、ライフリングが切られていない滑腔砲が適している物となり、この方が発射時の摩擦抵抗も少ないため初速も稼げる点でも合理的とか。

 APHEは、ガンダム5話のザクバズーカの弾がガンダムの盾を破壊する断面映像みたいな感じで、弾殻と炸薬で破壊するのに対して、APFSDSは物理的な衝突の力だけで破壊を行う物で、現在の戦車は西側も滑腔砲とAPFSDSが主力となっている。T-62はこの方向性に先鞭を付けたものとなった。

 横から見ると、この新型砲がどれだけ全体の重量配分に影響を与えたのかが、転輪の配置間隔から読み取れて面白い。ほぼ前後逆転といった状態で、後ろに密のT-55に対して、T-62は前よりに集中して転輪が配置されている。

 T-55に比べて、単体で見ると低く抑えたように見えるT-62の全高は、実際にはほとんどT-55と変わらず、大型化した砲に対してなんとか車高の増大を押さえ込んだといった雰囲気なのも、立体で比較してこそ分かる感覚。

 姿勢を低く抑える事を重視しすぎた結果、砲の俯角が僅かしかとれず、地形に隠れての射撃や、稜線超えの射撃に制限が出るといった難点を抱え、エンジン上の防御も弱めで、西側からは榴弾の空中炸裂で冷却系に損傷を与える事が出来ると判断されていたとか。

 T-62は砲塔後部のハッチから撃ち殻薬莢を自動排出して、車内の空間を無駄にしないというカラクリも追加されている。しかし、こいつの動作が結構乱暴で、乗員の怪我の元になったりしたとも。

 模型的には、T-62のライトガードを相当頑張って削り込んだのだけど、タミヤの無加工に細さでかなわないという、メーカー間の比較も出来たり…。
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