某日昼、雨。傘をすぼめて階段をあがり、駅構内へと入る。ボードにずらりと貼られた映画や舞台の告知ポスターの中で、ふと目に入った「ジリオラ・チンクエッティ」の文字。「んっ」何と24年ぶりの来日公演ですと。最近、我ながらエネルギーが安定の低空飛行で
第1話 ガラメドン登場まるで何もかも「狙って」作られたかの如く、パロディ的なユルいセンス満載であるが、1973年製作。当時のお子様向けに普通に濫造されていたミニ特撮。どうでもいい事だが、まず「ガラメドン」を「ガメラドン」と空目してしまった。本当
いつの間にか僕らも若いつもりが年をとった暗い話にばかりやたら詳しくなったもんだそれぞれ二人忙しく 汗かいて(ユニコーン『すばらしい日々』)幼い頃、テレビで『日本沈没』を目にし、その夜、ベッドで泣いた。「死にたくない」と。生まれて初めて刻まれ
萩尻は、或る男の病室を訪ねた。横たわる彼は、萩尻が最後に会った時から様変わりしていた。萩尻を目にして気付くと、彼は何か声なき声を出そうとしているかの様な表情で、視線を送って来る。その眼光は、見つめて来たものが「厳しさ」である事を語っているか