mixiユーザー(id:24575266)

2020年07月19日12:00

26 view

this boy

高校時代のクラスメイト。
修学旅行では、一緒に萩を自転車で走った。
速くて、全然追いつけなかった。

ギターが好きで、学祭ではアースシェイカーやRATTを弾いていた。
私のアズテックカメラのカセットを貸したら、
「これ、クリスマスに聴く音楽?」と言われた。

そんな彼が、私に貸してくれたカセット。
佐藤博の『THIS BOY』だった。
彼の弾く音楽とは違っていたが、如何にも「彼の音楽」に聞こえたのだった。







彼には夢があり、その夜も夢の為に目的地に走っていた。
そして突然、地上からは消え去った。

彼も、佐藤博も、今はもういない。
当時は動揺を隠し、淡々とした態度で、やり過ごした。
私も、大体のクラス仲間も。

しかしそれは今も、
私の鳩尾の中の遠くに、刻まれている。
時々風は吹き、砂を払い、その刻印は現れる。

もしも・・・だったら・・・今・・・
刻印の蓄積は、
実は吐き出したいかなしみかも知れない。

自分で思っているよりも、多分。

もしも・・・だったら・・・今・・・
その今の中を、私の命は今、彷徨っている。

私の目や耳に触れるもの、
肌に吹く風、擦れ違う人々に、
意味や名前を付けるのは、
私しかいない。

1 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する