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2020年05月30日11:52

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感触

昔、何かのエッセイで読んだ風景。

銀座にて、老紳士同士がフイルムの装填されていない、
空のライカをぶら提げて、
巻き上げやシャッターの感触を語り合っている・・・・・・

確かそのエッセイか何かの中では、
「写真機は道具、撮ってナンボのもの」とその風景をバッサリ斬り、
老紳士同士の行為はみっともないものとして書かれていた。

それを何かで読んだ当時、
私も「写真機は道具、撮ってナンボのもの」であると、
どちらかと言えば感じていた。

しかし最近、
すっかり使わなくなっている手元の銀塩カメラに久々に触れたら、
それこそ巻き上げやシャッターの感触だけで、
物凄く気持ち良さと楽しさを感じてしまった。

「そうだよ、感触とは娯楽なのだよ」と思った。
そしてそれは大体、道具に宿っている。

「最近のカメラはつまらない」
「最近のクルマはつまらない」
というフレーズを巷で耳にする事がある。
100%ではないが、共感させられもする。
それって、感触という娯楽性の喪失、後退、希薄化、
もしくは「現代の感触はこれなのである」という事なのかも知れない。
例えば今のカメラ(=スマホ?)やクルマで
カメラやクルマを初めて知る人にとっては、
今のモノの感触というものがあるのかも知れない。

しかし一方で、
電車の中でNikon Fをぶら提げているカメラ女子(あまり好きな言葉ではないが)や、
近所で見かけるPEUGEOT 106乗りの若い子(多分若い)とかの姿を思い出すと、
若き感触難民が旧き良き感触を求めて、夫々選択している様にも見えたりする。

中高年になって、銀座のライカ老紳士の楽しみに、
ちょっと共感出来る様になっている自分がいるのだった。
自分だって今まで、感触を選び、感触を楽しんで来たクセに、と。

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