獅子

生きていると、
感情のままに生きていると思われる人と、擦れ違う事もある。
そんな時「やはり自制や思考というものは尊いのだナ」と思ったりする。

感情のままに生きていると思われる人の言動が、
周囲に与える一定の不快感を目の当たりにすると、
その人の今迄の人生は恐らく凄まじいもので、
もしかして御自身にとっても、シアワセな感覚は希薄なのではないか、
という思いも抱かされたりする。
大きなお世話であろうが。

そしてそんな方の言動を眺めていると、
感情というものが、何だか醜いものに感じられ、
自分自身に感情のある事に対しても、嫌悪感を持ってしまう。
自分の感情を、あまり大切にしたくなくなる。
それって、醜い事に繋がるのではないかと。

しかし、それは、
感情のままに生きていると思われる人にとって、
思うツボ、好都合なんではないか、とも思う。

感情のままに生きていると思われる人は自身の感情による言動を押し通す為、
周囲の感情なんて、殺してしまいたいのではないか。
もしくは逆に、己の為に荒立たせたいのではないか。
是非とも周囲には、周囲の持っている感情など大切にして欲しくないと、
無意識にせよ意識的にせよ、望んでいるのかも知れない。

自制や思考も尊いが、
自分自身の感情も、やはり尊いのである。

内なる獅子も、自らと獅子を繋ぐ首輪も、
どちらも大切なのである。