私と超常マンガ家少女たっぺん、そしてドリブラジオのパーソナリティーたっちゃんの3人は、異常に底冷えする東京の町を、黙々と歩いたのですよ。
「さ、寒いっ!」
「も、もう少しで到達するはずだっ!」
「ガタプル・・ガタプル・・」
ぁあっ!異常な寒さが、われわれを責め苛みます!
われわれが向かっているのは、トキワ荘なのですよ。マンガの神様手塚治虫、石ノ森章太郎、藤子不二雄など、マンガの巨匠たちが集まった伝説のアパートです。
「も、もう少しだっ!」
「ひぃいいっ!緊張しますぅうう!歴史的なサンクチュアリを訪れるなんて、感動ですぅうう!」
「い、いよいよ、歴史的なサンクチュアリにっ!」
サンクチュアリに、到着ぅ〜・・・
あれっ・・・・
ここなの・・・(;゜∀゜)
「ビューン!ビューン!」
「スポコ〜ン!スポコ〜ン!」
「シュフ〜ン!シュフ〜ン!」
サンクチュアリ・・
そこは、会社の敷地に挟まれた小さな空き地でした。
その会社の、おそらくは社員の男性たちが、ひたすらに、ゴルフクラブのスイングをしておられましたね。
ひたすら、無心に。
そして空き地の脇に、小さなモニュメントがポツンとありました。
トキワ荘を型どった、小さなモニュメントですよ。
・・・そうだよね
トキワ荘が残ってるはずないよね・・・
あははっ・・・
僕たち、なにを期待してたんだろ・・・
あははっ・あははっ・ひゃっひゃっひゃっ!(  ̄▽ ̄)
「ビューン!ビューン!」
「スポコ〜ン!スポコ〜ン!」
「シュフ〜ン!シュフ〜ン!」
男性の方たちは、ひたすら無心に、それはもう無心にゴルフクラブをスイングされています。
そしておそらくは女性の事務員さんたちが、横で見守っておられました。
たっぺんが、唇をふるふる震わせながら、呟きましたね。
「なんか・・なんか違う」
たっぺんが、涙目になっています。
きっと脳内で、なにかをすご〜く期待していたのでしょう。
それでも、サンクチュアリで、巨匠たちのスピリットに接触するために、宇宙に宣言するたっぺんとケルマさんでした。
帰り道、満たされない情熱を抱えた我々は、ふと、一軒のラーメン屋を見つけたのです!
「こ、これは巨匠たちが通った伝説のラーメン屋ではないかっ!」
我々の心に、一条の光がさし込みましたね。
ラーメン屋のドアには、藤子不二雄先生の名作、「マンガ道」の1ページが飾ってありました。主人公の「んまーい!」のセリフが炸裂しています!
店内は、見事なまでにレトロでしたね。
昭和風の、ハチマキをした労働者の方々が、ラーメンを食しておられましたよ。
「これは、昭和かっ!昭和なのかっ!」
われわれ3人は、ラーメンを食しながら、
「んまーい!」
と咆哮したのですよ。ようやく、なにかが満たされた感触がありましたね(  ̄▽ ̄)
たっちゃんが、ポソリと言いました。
「あのゴルフしてた人たち、ほんとにあの会社の社員だったの?まさか、サードマンだったりとか?」
東北ツアー以来、サードマン疑惑が脳裏に去来する、たっちゃんです。
その夜、われわれは衝撃の事実を知ることになるのでした。
その日、ネットにニュースが流れたのです。
「手塚治虫、AIで復活!新連載スタート!」
「け、ケルマさん!これはいったい!」
「うむ・・・サンクチュアリで、時空が動いたのかもです」
古くは、神経学者のリリー博士が警告し、最近ではホーキング博士やテスラ・モーターのCEOイーロン・マスクが警告してきた、未来にAIが人類に敵対するかもしれないというAI問題です。
その問題に対して、手塚治虫先生は、鉄腕アトムという、人類とAIの共存の未来を提示したのですよ。
前の日記でも書いたように、鉄腕アトムは、AIです。そして原子力で動くのです。
もしも、アトムに人の痛みがわかる心がなかったとしたら、人類にとっては核の脅威を秘めた最凶の存在となるのですよ。
そのAI世界に、手塚治虫先生の心がインストールされたのならば・・・
「人類とAIは、核の脅威がない安全な未来に向かい始めたということなのだよ!(  ̄▽ ̄)」
ログインしてコメントを確認・投稿する