人の痛みをわかる人になりなさい

長い九州への旅でした。

私はスーパータカオさんと共に、九州へと車で移動していたのですよ。

車の中で私は、人の痛みを理解する「共感能力」について、語ったのです。

「タカオさん、この前、ある男性がやってきてね。その男性はラグビーをやっているのだが、この前、大変な事故に遇ったそうだよ」

「大変な事故ですか？」

「うむ・・・タックルしてきた選手と衝突して転倒した際に、相手の肘が、彼の睾丸を直撃したのだ！
粉砕！破裂したそうだよっ！」

「ぅわあっ！・・・痛いっ！痛いですよっ！」

「わかるねっ！わかるんだねっ！彼の痛みがっ！」

「もぉ〜、痛すぎじゃあないですか〜」

人の痛みがわかり過ぎる男、スーパータカオさんです

「うむ、我々男性ならば、痛みを共有することは容易いのだ。
我々の神経にはミラーニューロンと言ってだね。相手の痛みや感覚を同じように理解するニューロンがあるというのだよ」

「なるほど、ミラーニューロンですね」

「だがしかし、女性の場合、これは共有できる痛みなのだろうか？」

「そうですね。果たして、わかるんでしょうか？」

そんなわけで、九州の帰り道。
女性の、空の音さんを車に乗せた時、同じ話をしたのですよ。

「・・・タックルしてきた選手と衝突して転倒した際に、相手の肘が、彼の睾丸を直撃したのです！
粉砕！破裂したのですよっ！」

「ぅわあ〜っ！痛〜い！その人、大丈夫だったの〜っ！」

・・・痛いって言ったよね。
・・・なぜ、女性なのに男の痛みがわかるのか？

スーパータカオさんが言いました。

「一説には、出産の痛みのほうが、凄いらしいですが」

・・・タカオさん、それ、どーやって判明したんですか！

そういえば昔、「北斗の拳」のケンシロウが相手の秘孔をつき、こう言ったのですよ。

「お前の体は今、全身むき出しの神経に包まれている」

秘孔の影響で、ちょっとなにかに触れただけで、「ビリっ！」と電気ショックの痛みを感じるようになってしまった敵キャラ。
そんな全身ビリビリの敵キャラを、無情にどつきまくるケンシロウです。
人の痛みがわかるんだか、わからないんだか、よくわからん人ですな。


話題はやがて、怖い話へと移っていきました。

「怖さ、とはなにかですね」

「《間》、かしら」

「怖い話を話す《間》は、重要ですね。ニュースキャスターが怖い話を話しても、全然怖くないですから」

「やはり、意味不明なものが怖いのだよ。正体がわかってしまったら、たとえそれが霊だとしても、怖くなくなるからねぇ」

「たしかに、意味不明の怖さってありますよ」

「時々、ユーチューブで怖い心霊動画を見つけて涙目になった時はだね。
誰かに理解してもらいたくて、心霊メイトにURLを添付してメールするのだよ」

「それ、単なるいやがらせですよね」

「人の痛みをわかる人になりなさいと、いうではないか( ￣▽￣)」

「いや、それ霊的ハラスメントですからっ！」