先日、愛媛のノアノアというお店で仕事した時でした。
ノアノアのマスターは、音楽機材を揃え、リスニングルームを経営しておられるジャズ仙人なのですがね。
そこで、思わずレコードについて話が盛り上がったのです。
マスターが言いました。
「昔のレコードに比べたら、CDはダメだねぇ」
私も同感に言いました。
「やはり、CDは2万ヘルツ以上の音をカットしてますから、重要なエッセンスがなくなってしまってるのですよ」
ある有名なミュージシャンが、レコードである曲を聴いた時、自然に涙が出たそうです。
しかし、同じ曲をCDで聴いても涙は出なかったというのですよ。
私はこう言いましたね。
「耳が聴こえない方がね。蓄音器から出る音を聴くことができたのです。この原理を応用した、耳が不自由な方でも音楽を楽しめる《ミライスピーカー》というものが開発されましたよ」
CDの音は、耳に聴こえない2万ヘルツ以上の音がカットされているのですな。
しかし、レコードの音は、2万ヘルツ以上の音が含まれているのですよ。
じつは人間は、体で2万ヘルツ以上の音を聴いているのです。
バッハのパイプオルガンの曲には、人間の耳には聴こえない音を出す音符が書きこまれているのですよ。
バッハ自身は、「この音がないとダメだ!」と語ったのです。
さっそく、私はレコードとレコードプレーヤーをセッティングしましたね。
用意したのは、ピンクフロイドの「エコーズ」です。
「エコーズ」の凄いとこはですね。
レコードを聴くことで、浮遊感を体験できるのです。
つまり、トリップできるのですな。
研究者によれば、体外離脱できるので有名なヘミシンクと、同等の現象が起きるとも言われていますよ。
村上春樹が小説の中でよく、「レコードを聴いてトリップした」と語っているのは、この現象なのです。
1970年代当時は、みな、部屋を暗くして、ローソクを灯し、ピンクフロイドの「エコーズ」や「狂気」を聴いてトリップしていたのですな。
怪しく危険な幻覚剤や、違法な薬物など使わずとも、レコードでトリップできるのですよ。
ちなみに、ピンクフロイドの「狂気」は全米チャートに「741週連続ランクイン」したのです。
つまり、15年間売れ続けたのですな。
さて、このレコードの持つ2万ヘルツ以上の魔力を、CDで再現するために、私はヒバゴンシステムを開発しましたがね。
さらにその上をいく時空ジャンプサウンドを開発中のケルマさんです。(  ̄▽ ̄)
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