すごい分子 　　世界は六角形でできている ＜読書メモ＞

佐藤 健太郎著 新書 ブルーバックス– 2019年
ニュースで炭素だけでサッカーボール型の物質ができたとか、同じく炭素だけでミクロのチューブができたということを知り興味を持っていた。タイミングよくそれらについて書かれているらしい新書があったので読んでみた。
高校時代科学が大好きと言ってもそれは無機化学のレベルまで。本書の内容の有機化学はほんの入り口習っただけだのはず。有機化学の入門書のこの本に出てくる有機化合物の名前の多さと形の多様さに普段の生活で人の名前と顔を憶えられない者は驚きの連続。好きだかと言って化学の道に進んでいたら頭が名前と形が憶えられなくて頭がパンクしていたに違いない。
本書のあとの部分はなるほどそういうことなのかという程度でしか理解できなかった。本書を読んだ最大の収穫は炭素の二重結合に「σ結合」と「π結合」という２つの電子の結合の仕方があるということを知ったことだ。そこから二重結合と二重結合の間の単結合に二重結合のπ結合が絡んだ「共役系」という単結合でありながら二重結合に近い性格の結合があるという2つのことを知ることができた。