を最近になって始めて知った。
これは軍事用語なのだが、分かりやすく言うと『負傷者も含め、自軍に一人の犠牲者も出さないようにする戦い方』という事ならしい
何ともまあ虫の良い話なのだが、この概念が生まれた背景には深刻な事情があったりする
例えば、兵士を一人育てるためにはどれぐらいの費用がかかるかを考えてみると、この概念をすんなりと飲み込めるかもしれない
これがもう、けっこう馬鹿にならないぐらい金がかかるのである
例えば最前線で戦う歩兵一人を半人前のライフルマンに育てるためには、トラック一台分（約3トン）の弾薬が必要ならしい
まあ5.56��NATO弾ならばおおよそ20万発といった所か
1発が約300円だとすると、弾薬代だけで6000万円もかかる計算だ
これに給料、衣食住、保険、移動や暖房などに使う燃料費など、様々な費用がかかる
さらにこれだけ金をかけて育てた兵士が死んでしまうともう目も当てられない
兵器は壊れてもまた作れば良いが、兵士は死んだらもう生き返らない上に、『遺族年金』を延々と支払い続けなければならない
これがもう、本当に高い
まあ当然である。残された人々の生活をきちんと保障してくれなければ、最前線で戦う兵隊さんたちは命をかけて戦えない
仮に遺族年金が年500万円かかったとして、それを20年も払っていくと簡単に一億円という数字が出てきてしまう。（昨今のアメリカでは、これが非常な社会問題になっているようだ）
最近の兵隊さんは簡単に死なせられないという事情があるのだ
そこで出てくるのが無人爆撃機などのロボット兵器なのだが、陸上兵器は無人化が遅々として進んでいない
理由はこの無人化そのものにお金がかかるから
特に『敵と戦うための脳みそ』となる電子機器の構築に金がかかる
戦場では一瞬の判断ミスが機体の破壊や味方の誤爆に繋がるため、この機械に『判断させる』というプログラムを作るのがすこぶる難しいらしい（無人爆撃機なんかはこの最終判断はやっぱり人間のお仕事）
どれぐらい難しいかというと、軍事機密を死んでも守り通そうとするあのアメリカが、『システム構築できたらデータのキックバックするから、お前も技術開発に協力しろ』と日本に打診してしまうほど
まあ、いきなり無人兵器は無理なので、今は『戦車』がそのゼロ・カジュアリティの骨格となっていたりするようだ
戦死者のほとんどは陸戦で出るらしい
その陸戦で戦車を出すと、いつの間にか敵の攻撃が戦車に集中してたりする
まあ何でも破壊できる大砲を持ってて、時速80kmで相手の攻撃を避け、ほとんどの武器を跳ね返す装甲を持つ戦車は、敵にとって悪夢そのものだろう
なのでなるべく早く片付けようとする
つまり圧倒的に強い戦車を持っていれば、このゼロ・カジュアリティという目標を達成しやすくなる訳だ
よく『戦車はオワコン』と言われるが、個人としてはこれからも戦車の進化した姿を見てみたいというマニア心がある
近い将来、クルスクのような大戦車戦が見られる時が来るのだろうかと胸をときめかせながら、ぼんやりとクリスマスが過ぎていくのであった
ログインしてコメントを確認・投稿する