いちおう主張しておく

こういう報道もあってもよい．私は益若つばささんとなんの縁もないけど．

ワクチンによる重篤な副作用はありうる．そもそも「ノーリスク」はあり得ない．
（きちんと集められたデータに基づいて）それがたとえば0.01%だとしても，当事者にとっては「それがすべて＝100%」の事象である．ワクチン接種を避けたいという立場も生じる．そもそもアナフィラキシーを経験した方もいる．当然，強制はできないだろう．

だが，いまのパンデミックを抑える，すなわち，第一に「医療崩壊を避ける」，次いで「経済危機を避ける」「国民の行動制限を緩和する」ためには，今のところワクチンしか手段がないというのが実態ではなかろうか？

では「安心してワクチンを打てる」方向に持って行くためにどうするか，ワクチンについてのさらなる研究推進もあろうが，私は「ワクチンと重篤な副作用との因果関係」を広い解釈で認め，当事者に十分な補償をすることを約束することだと考える．

「因果関係を認める」ことは実は難しい．「科学」の世界でも意見が割れる．そのよい例が「公害」の事例である．あるエリアで変な病気が発生し，その人々がそれまで「特定の水源」「特定の食物」を取っていたとする．
ここで，時間的な前後関係や交絡要因も考えた上で「その水」「その食物」がヤバい，と判定するのがひとつの立場（これを「公衆衛生学的立場」とする）．一方，「どういう化学物質かそれが特定され，そしてその物質が人間の身体の中でかくかくしかじかの作用をしてその病気が生じる」までが解明されてこそ「関係がある」と言えるとする立場もある．行政や司法はほぼこの立場に立つ（「司法的立場」と呼んでおく）．
「司法的立場」が「公害」を拡大させたことは明らかである．たいてい「原因物質が明らかでない」「そのあやしい物質が体内でそういう病気を引き起こしている証拠がない」と言って訴えを却下してきた．しかし「公衆衛生学的立場」に偏りすぎると，たとえば一人の性犯罪者がエロビデオをたくさん持っていたからエロビデオを禁止せよ，となりかねない．ここのところ，どこまでが「偶然の一致＝単なる相関」であり，どこまでが「本質的な関連＝因果関係」なのか，判定が難しい．どちらも「科学的」には間違ってはいない．

このパンデミックを抑えるために，ここは「公衆衛生学的立場」を取ると行政が陰に陽に宣言することを求めたい．つまり，ワクチンの副作用を「因果関係」として，（ある意味ゆるく）認めるということである．このタイプの方針が功を奏した例として，関心のある方は「ロンドンでのコロナ流行とその対策」を調べてみて欲しい．コロナという病気がなぜ発生するか，それがわかっていなくても，ロンドンでのコロナの大流行に対効果的な対策が打てたのである．

なお，「この程度の患者数で医療崩壊はウソ」という方には，日本の病院がどれほど少ない医師・看護師・医療従事者で回っているのか，感染症に人員的／システム的に対応できる病院がどの程度あるのかを調べていただきたい．相当に整った病院でない限り，麻疹であっても風疹であっても，ゾーニングを徹底し，なおかつ集中治療をすることは現状では不可能である．さらに，感染症対応病棟を増やすことは，他の病者の受け入れやケアを大きく削ることになる．「金儲け」の問題ではない．
また，強い腹痛を訴える患者が救急搬送され，これは新型コロナではないだろうと思われても発熱しているという患者であれば（虫垂炎でも発熱します），医療従事者は十分な備えをして対応・処置しなければならない．大きな負担である．その直後に心臓発作や脳出血が来たら，対応は遅れる．脳血管障害でこの遅れは致命的である．
もちろん，そういう医療体制ができあがってしまったことには反省するべき余地はある．

「絶対安全」原発も爆発した．それを「想定外」と言って責任逃れしているが現状もある．
ロジカルかつEvidence-basedで，おかしいところがあったらご指摘いただきたい．

益若つばさ、新型コロナワクチン副反応で高熱 MC番組は欠席
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=137&from=diary&id=6600671