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2020年07月29日10:07

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book『狼の義 新犬養木堂伝』(林新、堀川惠子)

林新、堀川惠子著『狼の義 新犬養木堂伝』(KADOKAWA)を読んだ。犬養毅(木堂)は5・15事件で暗殺された戦前の政党政治家で知られている。その犬養の立憲政治確立にかけた生涯を、「犬養の懐刀」、戦後は「吉田の指南役」と言われた古島一雄をもう一人の主人公として配し、描く。この本はドキュメンタリー形式ではなく、小説の形式だ。私は堀川さんの著書(死刑囚永山則夫のドキュメント、日本の死刑問題に関わるドキュメント他)をほとんど読んでいるが、この本はさらにお連れ合いの残された仕事と関わり、渾身の力作だった。お連れ合いはNHKのプロデューサーとしてこのテーマを追究されてきたが、NHK退職後病になり、闘病生活に入られ、亡くなられた。死後堀川さんが生前の約束で執筆を引き継がれ、完成された本だ。「政界の荒野を駆け抜けた孤狼(ローンウルフ)、犬養毅。その死から十三年年間、この国が焦土と果てるまで、政党政治が復活することは二度となかった。」(「第十三章」)大部な本で、480ページ近くもあるが、久しぶりにメモを取りながら、じっくりと読んだ。なおこの本は昨年の司馬遼太郎賞を受賞した。関連して、最近出た5・15事件に関する本、小山俊樹著『5・15事件/海軍青年将校たちの「昭和維新」』(中公新書)この後読む予定だ。
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