mixiユーザー(id:24322169)

2020年07月25日19:47

38 view

book『ワタシゴト/14歳のひろしま』(中澤晶子)

パソコンのACアダプターを故障させ、しばらく投稿できなかったが、やっと手に入ったので、再開する。中澤晶子著(絵・ささめやゆき)『ワタシゴト/14歳のひろしま』(汐文社)を読んだ。中澤さんは私の好きな児童文学者だ。中学3年生の広島修学旅行でひとりひとりの子どもの心がそれぞれの生活史をバックグラウンドにどう動くがをあざやかに描いた本だ。「ワタシゴト」とは、記憶を手渡すこと=渡し事、私事=他人のことではない、私のことを意味する。この本は5つの物語(弁当箱、ワンピース、くつ、いし、ごめんなさい)から成っている。私は夢中になって読み終わった。読みながら、広島の写真集の石内都『ひろしま』、江成常夫『被爆』を思い起こしていた。私の小学校の修学旅行は伊勢だったが、当時流行っていたゴム段飛びで最後に2人残ったうちひとりが私だった。段飛びは成功したのだが、着地に失敗し、左足の5本の指を骨折し、修学旅行には行けなかった。伊勢の修学旅行がいやだという自意識はなかったが、結果的には行かなくてよかったと思う。(1955年)小学校の教師になった最初が東大阪市の小学校で、修学旅行が伊勢だった。当時、教材費や修学旅行等での業者とのリベートが問題になっており、修学旅行では業者の接待が公然と行われていた。学年主任は業者の接待(ストリップだった)に行きたがっていたが、私は拒否した。学年の他の教員も行かないこととなり、主任は残念がっていたことを記憶している。(1971年)その後、高槻市に転勤し、小学校〜中学校と勤め、広島・長崎・沖縄の修学旅行に夢中になっていた。その頃のことをいろいろと思い起こしながら『ワタシゴト』を読んだ。最後の章の「ごめんなさい」は修学旅行で大変お世話になった被爆者の佐伯敏子さんを思い起こした。
0 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する