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2020年07月13日18:25

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book『女帝 小池百合子』(石井妙子)

石井妙子著『女帝 小池百合子』(文藝春秋)を読んだ。石井妙子には『原節子の真実』(新潮社)、『満映と私』(岸富美子との共著、文藝春秋)があり、そ他に伝説的な「銀座マダム」の生涯を描いた『おそめ』(新潮社文庫)があり、私の好きなドキュメンタリー作家だ。『女帝 小池百合子』は最近評判の本で、小池がどのようにして権力を駆け上ったのか、そのマキャベリストとしての本質を明らかにしている。特に圧巻は、小池の履歴の「カイロ大学を首席で卒業」が全くの経歴詐称であることをカイロでの同居者の証言で明確にしたところだ。「私はこれまで女性の評伝を書くことを作家として、もっぱらとし、男性優位の日本社会の中で近代を生きた女性たちの煩悶を、無念を、希望を綴ってきた。(中略)それなのに、気持ちは重く塞ぐばかりだ。彼女の快進撃を女性の解放として、女性が輝く権利を手にしたとして、これまでの女性たちの苦難の道の末に咲かせた花として、受けとり、喜ぶことが、できない。(中略)戦後女性の解放の、これが答えなのかと考えさせられ、答えがでないでいる。」(「あとがき」)中段から後半の小池が東京都知事にまでいたる箇所を読んでいて、腹立たしい思いが嵩じていった。めずらしい読後感だった。

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