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2019年08月24日23:14

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スピーク・ノー・イーヴィル

ぼんソワール、マドモワゼル、とか書いてみる。お盆は過ぎたけれど。
今回はこの夏本当にあった怖い話を書いてみようと思う。

・七月頭くらいの話
うちの職場のえらいひとが、私のことを四十歳手前くらいだと思っていたらしいことが判明。
マダムAが言うには、
「ねこやまさんて何歳なの? えらいひとに訊いたら、三十八、九くらいちゃうか? って言ってたけど」
さすがにまだもう少し若いんですけどー。そこまでいってませんけどー。確かにここ数年でかなり老けましたけどね? 中身はまだ若いつもり、なのに。気持ちに反して見た目だけでいうととっくに脂ののった中年になってしまっている(らしい、認めたくない)という事実を思い知らされるこの恐怖よ。まるで喉元に刃物を突きつけられるがごとくである。

・七月上旬の話
自分がどうやら周囲の人間から浮いているらしいことを、なんだかここ数年で強く自覚するようになった。見た目とか服装とか言動とかももちろんなのだが(それはそれでよろしくないのだが)、それ以前にものの考え方がどうも他人と噛み合わないなあ、と……。
というわけで、梅田で友人某とお茶をしばいた際に、自分が一般の人から乖離しつつあると言ったところ、友人某よりものすごく芯を食った返答をいただいた。
「でも普通になりたいとも思わないでしょ? タピオカミルクティーとか興味ないでしょ?」
ヒデキ・マツイのホームランかよ、ってくらいのジャストミートである。
興味ないです。確かに。
タピオカミルクティー以外にも美味しいものって世の中にいっぱいあるよ? 求肥入り粒餡最中と濃い目に淹れた京都緑茶の組み合わせとか。
あとマルメタピオカガエルというカエルが実在する。須磨にある某水族館に行ったらいた。タピオカミルクティーより可愛かった。
生きてるマルメタピオカガエルをミルクティーに入れたらどうなるんだろうか、実際やったら動物虐待だしなあ、とか、風呂の蛇口をカランで捻ってタピオカミルクティー出てきたら嫌じゃのう、とか妄想している時点で私は普通ではないのだろうか?
「でも普通になりたいとも思わないでしょ? タピオカミルクティーとか興味ないでしょ?」
という友人某の言葉はこう翻訳し得る、
「あんたそもそも変わってるやん?」
十年来の友人にバッサリいかれるこの恐怖よ。

・七月半ばくらいの話
風邪を引き、マスク越しに浅ーい呼吸をしながら仕事をしていたら、マダムAから
ビックリするような質問が飛んできた。
「ねこやまさんってストレス溜まったりしないの? 普段愚痴とか言わないけど」
いやバリバリに溜まりますよ!? だから気力と免疫力がゴリゴリ削られて風邪を引いておるのですが!
他にはボロボロの私を捕まえて愚痴を聞かせてきた人もいたのだがやめていただきたい。ワシャ風邪引いとる言うねん。喉と鼻が苦しい上に腰骨冷たいんですけど!? 優しさゼロか貴様。怖いわ。大っぴらに愚痴を言うのが普通なんかい。怖いわ。
……という愚痴を、ここで書いてみた。ストレス溜まるわっ。

・八月頭の話
自分への誕生日プレゼント、と称してアイガードを買った。某合衆国の陸軍さんも御用達のやつである。なぜそんなものを買ったかというと、仕事中だけでなく通勤とか買い物とかの時にもメガネ的なものをかけた方が良さそうだなあと思ったからである。私は素の目付きが悪すぎる。仕事帰りにコンビニに寄ったら、会計が終わって出入口に向かう際に、レジの女の子の呟きが私の耳に届いたのだ。
「こっわ〜……」
怖かったですか!? 私としてはそれなりに丁寧にしてたつもりなのですが!! お釣もらってありがとうございますもちゃんと言うたし!!
あーもう無理じゃのう、ぼちぼち外見を工夫して精一杯マイルドにせねばなるまい、と思ったのである。
それでなぜ普通の伊達メガネではなくアイガードかというと、視力0.03で生活していると時々ブロック塀の角とか開いたドアとか木の枝とかが眼球スレスレを通過して超怖いからである。
それより何より一番怖いのは、ついに中学の時の担任と同じ歳になったことであろうか。

・お盆の話その一
青信号で横断歩道を渡ろうとしたら、完全に見切り発車した右折車が突っ込んできて轢かれかけた。後ろに下がって避けたが、もし気付かず渡っていたら轢かれていただろう。たまたま気付いたから助かった……死ぬっつうのよ。もし歩きスマホでタピオカミルクティーの画像見てたら確実に死んでたわね。

・お盆の話そのニ
前回、職場に出たヤモリを屋外に逃がした男のもとにそのヤモリの妻が人間の女に化けて、恩返しに見せかけて殺しに来る、というサスペンス風おとぎ話を書いた私である。もちろんフィクションで、ヤモリを逃がしたことだけが七月の第一週か第二週あたりにあった私の実体験であり、あとの部分は完全なる創作である。あくまで創作なのだが。
朝、出勤しようとしたらアパートの部屋のドアの横に何かが張り付いていて、ドアを開けた瞬間にボタッと床に落ちた。白褐色の塊で、十センチ弱位の大きさ。視力0.03の私はそれが何なのか咄嗟には分からない。蛾かしらん、と思って顔を近付けて見ると……
ヤモリ。
まごうかたなきヤモリが私の部屋のドアに!
慌ててドアを閉めた。危うく部屋の中に入られるところであった。ヤモリはそのまま廊下をチョロチョロと逃げていったので、ヤモリの行方は誰も知らない。
いや焦った。嘘から出た真というか、瓢箪から駒というか、適当に書いたヨタ話の通りにヤモリが私を殺しに来たのかと思った。学生の時からずっとこのアパートに住んでいるけれど、ヤモリは滅多に見ない。今回で二回目位ではなかろうか。それが狙ったように私の部屋のドアの脇にへばりついて侵入を狙ってくるものだから。
あのヤモリがメスだったかどうかは分からないしそもそも七月に逃がしたヤモリと何の関係もないのだろうけれど、どうせ殺しに来るのなら人間の女に化けた上で出刃包丁かアイスピックかバール(のようなもの)か釘バットかチェーンソーか、何かしらの凶器を持ってきていただきたかったのだわ。そちらの方が遥かに画になりましてよ。あ、花束にショットガンを仕込むのでもよくってよ。そこだけが非常に残念ですこと。
などと書いてみたところで、これヤモリで良かったと思う。これが本当の人間だったら……友達でも恋人でもないやつに勝手に家まで来られたら、たとえ凶器を持ってなくても、めっちゃ怖い。

・余談 細かいことを気にしてはいけないという話
前回のサスペンス風おとぎ話の格闘シーンで男がヤモリの妻の出刃包丁を奪うときに使った技、あれは実は某古流剣術流派の奥義とされるある型を元にしている。それを私が無手の技に改変したものである。だから古流剣術を十年単位で真剣に修行した人でないと使えないのである。なぜって? 奥義だから。一般の人が真似をすると間違いなく刺されて死にますのでご注意ください。自称なまくら剣術家の私でも半分以上の確率で死ぬ。なまくらだから。
ということは、待てよ、あの男(あくまで架空の人物であり私とは一ミリも関係なくってよ)は本当は剣術の達人なのか? 何十年も修行を積んでいるのか? そんな疑問が浮かぶが、気にしないことにしよう。
最近職場で色々あって私は一つの悟りを開いた……仕事の上ではミスを防ぐために細かいことを気にしないと仕方ないのだが、人間関係の上では細かいことを気にしたら負けだ。気にした方が一方的に損をする。繰り返す、細かいことを気にしたら負けだ!

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