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2021年10月08日13:45

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「スターダスト」〜屈折する若き野郎ども

若き日のデヴィッド・ボウイを描いた伝記映画。彼を演じるのは主に英国で活動、自らもミュージシャンであるジョニー・フリン。妻アンジー役には「パブリック 図書館の奇跡」での快活な館員ジェナ・マローン。監督は2007年「大統領暗殺」を撮ったガブリエル・レンジ。なお、ボウイ遺族の許可が降りず彼の楽曲は一切流れない。

「スペイス・オディティ」がヒット、満を辞してアルバム『世界を売った男』を世に問うも、陰鬱で内向的との理由で評判は芳しくない。精神を病む実兄との関係をトラウマにしながら意を決してアメリカに飛び、マーキュリーレコードの北米宣伝担当ロン・オバーマンと出会うも、そこではさらに厳しい日々が待っていた。

ボウイ楽曲が一切流れないというのは、やはりかなりの致命傷となったような。それともそれは過去いくつものミュージシャン伝記映画を観てきたこちらの固定観念か。たしかに劇伴として流れる“ボウイ風サウンド”の元ネタを探ったり、本来ならこの場面ではあのボウイ楽曲を鳴らすべき、などと想像を重ねる楽しみはあるけれど。

誰もが知るペルソナでの成功が物語の着地点となるのは想像に難くないけど、苦悩する彼のすがたを延々と見せつけられたわりには、その飛躍がやや唐突。「あんなのボウイちゃうわ!」という声が随所で聞こえてきそうなフリンのボウイ像、たしかに歯並びひとつとっても重箱の隅になり得るけど、まあそれは古今東西伝記物の宿命ですね。
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