代表作の歌詞をいくつも織り混ぜながら、言葉の紡ぎ手としての70年あまりの人生をほぼ時系列で語っていく。インタビューは昨年の春先にスタート、したがってコロナ禍におけるこの世界のありかたや、最大の創作パートナーだった故・筒美京平氏との思い出などにもふれている。インタビューと編集は藤田久美子というライター。
ざっと40曲あまりの歌詞が登場。ほとんどがなじみのあるものばかり、字面をたどっていくうちに、すぐさまメロディが追いかけてきて脳内を駆け巡る。いままで何気なく口にしてきたフレーズも、歌詞のなかの主人公の気持ちや視線の動き、言葉を追うにつれての時制の変化など、細やかな気配りがなされているとわかる。
ああ、この曲のこの部分はこんな言葉が連なっていたのかといまにして判ることもしばし。なにより歌詞を解説する際の彼自身の言葉、その巧みな表現力が素晴らしい。今回はふれられてなかったけど、彼の詞世界をもっとも的確に表現したフレーズは、”♪くもり硝子の向こうは風の街”だと以前読んだことがある。まったく異論なし。
来月には“松本隆 作詞活動50周年記念 オフィシャル・プロジェクト”と銘打ったライブイベント「風街オデッセイ2021」を2夜にわたり開催。両日ともまばゆいばかりの豪華な出演者。実は第2夜のチケットをすでに抑えております…と、いうことで11月最初の週末は東京行き、秋の風をあつめて日本武道館まで行ってまいります!
↓風街オデッセイ2021 HP
https://takashimatsumoto50.com/
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