大栄翔13勝2敗で堂々の初優勝。中盤あたりで八角理事長の「(大栄翔は)今場所の救世主だ」みたいな発言があったけどまさにそのとおり。ゆるぎのない本格的な突き押し相撲、負けた2番も自分の相撲に徹していたし。両横綱をはじめ、最終的には関取の休場者が19人を数えるというとんでもない場所。彼の活躍がなかったらと思うとゾッとする。
本来こんな場所を引き締めるのが大関の責務。ところが綱取りのかかっていた貴景勝は、初日から4連敗したあげく途中休場。ふだんからストイックな発言が多く、加えて新婚場所だっただけに実にカッコ悪い。まあ中途半端な勝ち星で優勝でもしていたら、それはそれで横綱昇進にひとモメあっただろうし、とにかくカド番の来場所から鍛え直し。
とりあえず優勝争いにはからんだ正代。ただ物言いの末に拾った相撲が何番か、粘りがあるというよりあんな展開となること自体が大関相撲にあらず。朝乃山も星数はまとめたけど、序盤は甘さばかりが目立った感。そう、この3人に11勝と十分合格の照ノ富士を加えた4人がことし以降の角界を形成していくと、昨年の終わりには思ったんだけど…。
どうやらまだまだ彼らは抜きん出ているとはいえず、三役が全員勝ち越したように他の力士たちとの差もわずか、当分は混戦模様が続くような。行方知れずの優勝争いは面白いけど、土俵を締める存在もいいかげん出てきてほしい。これで6年連続で初場所はすべて初優勝、このジンクスだけはことし限りで千秋楽にしてほしいと思っています。
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