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2020年11月20日16:30

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「ばるぼら」〜すべては夢かまぼろしか

手塚治虫が70年代に発表した漫画作品を手塚眞監督により映画化。人気イケメン作家・美倉(稲垣吾郎)の前に現れた自堕落な酒呑みホームレス女性ばるぼら(二階堂ふみ)、あつかましくも勝手に同居を開始、まったくもってやっかいな存在だったが、やがて美倉はばるぼらの不思議な魅力に取りつかれ、創作活動にも拍手がかかる。

幕開けしばらくでいきなり非現実な出来事。それはここから後は何でもあり、細かい筋立てやつじつま合わせいっさいご法度というサイン。ことし話題の映画「ミッドサマー」っぽい奇妙な団体も登場したりの非日常な世界が続くなか、唯一現実をもたらす存在が編集者の加奈子(石橋静河)かと思ったが、結局さほど機能しなかった。

原作に寄り添ったせいか、登場人物設定、セリフまわし、カメラアングルや画面の色調、終始流れるフリーキーなジャズ(音楽担当は橋本一子!)、すべてから昭和の匂いがにじみ出ていて、ああ、あのころはこんな雰囲気の映画をけっこう観たなあという感慨にとらわれ、このあたりは映像作家という言葉が似合う手塚眞ならではだと思う。

こんな言いかた身もふたもないけど、男女の愛憎劇にいまさらハタから口を出すのも…なんて気持ちになったのも事実。さほど芸術方面に振れてはいないけど、やっぱり”観る者を選ぶ”作品ということになるかも。まあこの半年間、毎朝お茶の間で音ちゃんを見ていたひとにとっては、彼女の別ペルソナを楽しめる作品だと思います。
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