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2020年10月16日14:30

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「博士と狂人」〜光と闇、そして狂気を編む

70年以上の年月を費やして刊行された「オックスフォード英語大辞典」。19世紀末、世界最高峰と言われる辞書の編纂に携わったふたりの男、孤高かつ異端の学者マレー(メル・ギブソン)と、人を殺め収監されたアメリカ人元軍医マイナー(ショーン・ペン)の固い絆を描いていく。全米ベストセラーのノンフィクション作品が原作。

辞書編纂をテーマにした日本映画の秀作「舟を編む」の強い刷り込みがあったせいか、もう少し辞書作りそのものに深く踏みこんだアカデミックな世界を期待していた。するとなんのなんの、そこには人間の内面に潜む狂気を終始あぶり出し続けるような(事実とはいえ設定がすごい)実になまぐさい人間ドラマが展開していた。

いやいや、英語ネイティブのひとにとっては、辞書作りの苦悩を十分味わえる作品なのかも知れない。登場人物のやりとりのなかに、いままでまったく聞いたことのない多くの英単語が次々と飛び出してくる(字幕でしっかり綴りが出る)。そこには非英語圏の人間にとっては理解できない、微妙なニュアンスが包まれているのかも。

まあ何をおいてもメル・ギブソンとショーン・ペン、この二大俳優の顔合わせが最大の味わいどころ。まるでふたりだけの舞台劇を観るような圧倒的熱演。物語のカギのひとつ未亡人イライザ(ナタリー・ドーマー)は表情やふるまいがちょっとイマ風だったかな。そして英映画名脇役のひとりエディ・サーマン、今回もいい味出してました。
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