父親の3度目の結婚相手・綾とのあいだにただようぎこちない距離を縮めるべく、大学生の奈央(モトーラ世理奈)は女性ふたりだけで台湾へ旅立つ。甘美なスイーツと豊潤なグルメ、台北・台中・九份…それぞれの街でそれぞれの出会い。はたしてふたりの距離は縮まるのか…。監督は少女アイドル映画の雄、ひさしぶり感のある今関あきよし。
いまどきめずらしい観光PR映画の様相。ふたりは著名な観光地だけでなく、実在する有名店に次々立ち寄り、人気メニューを平らげては「好吃」を連発、いまやTVのグルメ紀行番組でもクサいと思えるような演出が続く。いや、ここまで徹底されたらいっそのことこの美食天国にどっぷり浸ってやろうと、観る側は開き直ってスクリーンにのめり込む。
実際のところ、どれもこれも実に美味そうだ。いちおうのストーリーはあるのだが、現地で登場する人物も取ってつけたような感じがするので、ついついグルメばかりに目が行ってしまう。とりわけタイトルになっている豆花、以前台北に行ったときと昨年神戸の中華街で食したけど、あのあっさりとした微妙な甘味はいくらでもイケそうな気がする。
「風の電話」で一躍注目、不機嫌顔が基本形のモトーラ世理奈も、今回ばかりはちょっぴり笑顔が増えたかな。やがて彼女が個性派女優として開花したとき、お宝作品になるかもしれない一本。台湾好きのひと、スイーツ中心に台湾グルメ通のひと、そしてもちろん在台湾のひとにはぜひ観ていただき、いろいろツッコんでいただければと思います。
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