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2020年03月20日16:15

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「三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実」〜熱量のゆくえ

衝撃的自決の前年、1969年5月に単身で東大駒場キャンパスに乗りこんだ三島由紀夫。息巻いて待ち構えていたのは全共闘の学生たち1000名超。正対するイデオロギーの衝突が残したものは…。TBSに眠っていた伝説の討論会をとらえた秘蔵映像を編集、全共闘と楯の会、双方の証人そして現在の論客へのインタビューを交えたドキュメンタリー。

最初のうちは概念的な言葉が飛びかい、(たぶん私の理解力が乏しいのだろうけど)しばらくのあいだは退屈を覚えた。やがてテーマが「天皇論」に入っていくあたりから、がぜん討論の中身が具体化して面白くなってきた。インタビューに答える70歳をこえた当時の学生たち、ミーハーな印象ながらみなさんいい歳の取りかたをしているなと思う。

劇場内は学生たちと同じ世代と思われる年輩の男性が半分以上。学生たちの度重なる挑発に三島は巧みなユーモアでもって返答するのだが、年輩男子たちは同じ時代の空気を共有していたことを誇示したい気持ちなのか、必要以上に声を上げて笑っていた。右隣のじいさんは終始ブツブツ言ってコワかったが、マスクをしていたので意味不明だった。

結論から言うと、三島由紀夫という人間の懐の深さを感じた109分というところか。そしてあれからもう50年ということよりも、私が大学生だったのはこのときからわずか10年しか経っていないということに驚きを覚えた。学生運動の燃えカスさえ残っていない、のんびりとした平和なキャンパスライフ。まあ大学によっても違うのだろうけど。
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