ポン・ジュノ アジア人の誇り

先に国際長編映画賞を獲ったから作品賞はないものと思っていた。ところが監督賞がポン・ジュノの手に渡っておやおやと。「パラサイト 半地下の家族」第92回アカデミー賞、他のノミネート8作をしりぞけての作品賞おめでとう。「ジョーカー」「ワンス・アポン・ア・タイム…」どれもこれも傑作ならぶも本命なしの大激戦、英語以外の作品が獲るのは史上初とのこと。

「ジョーカー」にあそこまでの反社会性や陰鬱さや暴力がなかったら、「パラサイト」は獲れなかったかもしれない。でもそんな「ジョーカー」は魅力がなくなってノミネートされなかったに違いない。まあホアキン・フェニックスはきっちりと主演男優賞を獲っているし。でもここまできたらノミネートされてないけどソン・ガンホに主演男優賞をあげたかった。

なぜならポン・ジュノ作品における主演ソン・ガンホは相性が良く(どことなく風貌も似ている)、「殺人の追憶」「グエムル 漢江の怪物」…ならぶのは傑作ばかり。ポン監督作品とソン主演作品、それぞれの個人的お気に入りベスト5を挙げるとしたら、この2作はまちがいなくともに入るだろう。そしてこのたび「パラサイト 半地下の家族」が堂々の3作目だ。

「ヨン様みたいなイケメンばっかりや思てソウルまで行ったら街中ソン・ガンホだらけやったわ〜」これはかってある韓流どっぷりオバハンが発した言葉。あれから十数年、彼女は「パラサイト」をしっかり観たのだろうか、そしてオスカー受賞を祝福するのだろうか。まあそんなことはともかく、今回の快挙は同じアジア人として本当に誇りに思います。チュカハムニダ！