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2020年02月08日14:30

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「37セカンズ」〜その優しさはいろいろ

脳性麻痺に侵され、手足が不自由なままの生活を強いられている女性の自立と成長の物語。主人公ユマを演じる佳山明は障害者対象のオーディションで選ばれ、実際に脳性麻痺を抱えた25歳の女性。主役抜擢を機に彼女の実体験に基づいた設定に作り変えている。監督は海外を拠点にして映像表現を続けていたHIKARIという女性、大阪市平野区出身というから親近感。

鑑賞後の第一印象は、ユマをとりまく周囲がみんなけっこう優しいということ。この手の障害者ものでは、たいがい主人公に冷たく接する個人そして世間あるいは社会というものが存在していたが、今回の周辺は誰もみなおしなべて優しいような。なので実際に障害を持つひとが観たらこれは甘いなってことになるかもしれないし、その優しさのありようにも是非があるのだろうけど。

優しさの表現はいろいろ。渡辺真起子や板谷由夏といった女優陣は障害者の周辺にいるひとたちの温かい眼差しを実に上手く演じ、神野三鈴(長らく舞台で活躍してきた女優〜ジャズピアニスト小曽根真夫人)は助演女優賞有力といえるやや過保護な母親役を熱演。そのぶん大東駿介演じる介護ヘルパー役のキャラ設定と物語終盤の行動にはちょっと疑問を感じたけど。

その物語終盤には思いもよらなかったダイナミックな展開が待っていて、これもまた実話だというからビックリ。とにかく文字通り身体を張って難役をこなした佳山明にたいする賞賛は、これから社会一般の話題として巷にあふれ出てくることまちがいなし。海外で映像を学んだ監督がゆえの表現なのか、何度となくポップに映し出された東京の街がとても魅力的でした。
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