初めて観たのがちょうど1年前の同じBBL。いつのまにか4人組になってるなと思っていたらベース男子が脱退、これで男女2人ずつとなった"新感覚のシティ・ポップ”。おそらく全員平成生まれ、育ちの良い好青年集団あるいは大学軽音楽部の延長という雰囲気は変わらないけれど、昨年よりはずっとあかぬけて落ち着きも出ていたような印象。
だいたい彼らの経歴を見るかぎり、「さあ、バンドやろうぜ」みたいな昔ながらのノリではなく、WEBをメインにさまざまなメディアを駆使していた個々の発信者が、たまたま集合して発生したようないかにもイマ風プロセス。今回はアコースティック・セットというふれこみに反して音の厚みがぐっと増し、新たな楽曲はややソウルっぽくなっていたような感触。
そして「唯一の(レコーディングした)カバー曲、大阪で披露するのは初めてです」と言って歌われたのがなんとキリンジ「エイリアン」!やっぱりこの名曲は、シティ・ポップを指向するある世代にとっての通過儀礼あるいは第一関門みたいなものかと。けっこうむずかしい曲だと思うけど、実にいいタイミングで中ほどから女性ボーカルがからみ場内の空気をしっとりと。
そしてライブでのお約束、アンコールでの名曲カバー。今回は小沢健二「いちょう並木のセレナーデ」。そう、前回フロント男子が「生まれたころのポップ・ソングっていい曲だらけ」みたいなこと言ってたけど、はたして彼らはシティ・ポップ第何世代になるのだろうか、こうやってポップ・カルチャーというのは継承されていくのだなと、今回もまたしみじみした次第です。
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