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mixiユーザー(id:2399973)

2020年01月18日16:15

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「冬時間のパリ」〜黄昏どきの出版業界

パリを舞台に編集者・作家・女優たちがくりひろげる会話劇。フランス映画のヒロインは私だけとばかり、またまたここでの女優役はジュリエット・ビノシュ。後半でそれを揶揄するような楽屋落ちめいたものがあったけど、果たして…。監督は「アクトレス 女たちの舞台」(これまたジュリエット・ビノシュ)「パーソナル・ショッパー」のオリビエ・アサイヤス。

よく“会話ばかりが続く平板な…”という表現があるけど、単調かどうかはともかく、今回はその会話の中味が、ほとんどIT化つまり電子書籍化に追いやられている現在のフランス出版業界、そしてすべてが短絡的で無責任なSNS社会を憂う言葉ばかり。監督はじめ製作側はよっぽどその状況を言いたかったのではないかと。まあこれは日本もフランスもほとんど同じだけど。

そして口ではエラそうに知的な言葉を交差させている連中が、陰ではドロドロの不倫劇をくりひろげているところがいかにもフランス映画。なので原題の“Double vies“には夫婦2組を中心とした愛憎劇という意味に加え、ヨソ行きの建前と内輪のホンネがいやでも交差してしまう人間の性、デジタルでは割り切れないこの世の中、みたいなものも匂わせているはず。

いかにも気の弱そうな作家が、書店でのトークイベントやラジオ出演、つまり公の場に出るとことごとく自身の作品をケナされる場面が一番面白く味わえたけど、ラストシーンまで付き合うとそれは一種の伏線だったのかなとしみじみ。ひとの書物にあれこれ口をはさむ女優役のジュリエット・ビノシュ、どうしても昨年の是枝裕和「真実」を思い出してしまいました。

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コメント

  • mixiユーザー

    mixiユーザー2020年01月18日 16:51
     世の中、変わったものですね。オモテとウラ、タテマエとホンネなどというと、かつては日本映画が得意とした分野だったでしょうし、現実にそんなものが蔓延する日本社会を欧米は激しく非難したり、理解不能としたりしたものでしたが。ようやく、欧米の文化が日本に追いついてきたと見るべきなのか、逆に欧米の文化が日本並みに腐ってきたと見るべきなのか。
  • mixiユーザー

    mixiユーザー2020年01月18日 23:38
    同じアサイヤス監督の旧作で『夏時間の庭』というのがあって、未見なのが惜しい映画でしたが、続けて同じようなタイトルをつける配給会社のセンスはいかに?あせあせ
  • mixiユーザー

    mixiユーザー2020年01月19日 01:20
    > mixiユーザー おそらくこの作品における裏表や本音と建前は、よく日本人・日本社会の特徴として言われるそれではなく、もっと人間が誰しも持つ根源的な要素だと思います。
    簡単に言えば公私の使い分けみたいなことになってしまうのですが。
  • mixiユーザー

    mixiユーザー2020年01月19日 01:21
    > mixiユーザー あきらかにあえて対をなして引きつけようとしてますね。たしかその作品もジュリエット・ビノシュが出てましたね。

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