WWEの女子プロレスラー、ペイジそしてその家族の物語。実話を基にしたヒューマンドラマ、同タイトルのドキュメンタリー作品に感銘を受けたドゥエイン“ザ・ロック”ジョンソンが、自ら製作も担当し映画化したもの。もちろん彼も本人役で出演(「イエスタディ」におけるエド・シーラン的存在感)、プロレスへのオマージュあふれるセリフを叫んでいる。
イギリス北部の片田舎でレスリングジムを営み、周辺エリアでの小規模な興行をくりかえすペイジ(フローレンス・ピュー)とその一家は、下品な言葉飛びかう自由奔放な4人家族。彼女は兄のザック(ジャック・ロウデン〜「イングリッシュ・イズ・マイン」主人公モリッシー役!)とともにWWEのトライアウトを受けるも、合格したのはペイジひとりだった…。
遠くフロリダの地で、大舞台に立つべく厳しいトレーニングを重ねていくペイジと、あいかわらずわびしい地方興行を続けているザック、兄妹の置かれた環境の対比を巧みに描いていく物語かと、そしてそれなりの結末も勝手に考えていたら、さすがにドキュメンタリーが作られるほどの実話、物語後半はあくまでペイジがメイン、彼女の成功譚が中心軸になってくる。
なので邦題より原題”Fighting with my family”のほうがしっくり。実話もののおきまり、エンドロールでは実在のファミリーが映し出されるのだけど、本当にそっくりなのでビックリ。格闘物のツボである痛快感はきっちりふまえながら、英国労働者階級と米国エンターテイメント世界の対比や、主人公が女性であることにもしっかり気くばりのできた作品だと思います。
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