「あまから手帖」最新号、第二特集のページをめくってまたもやかと。“天王寺”の特集と謳いながら、取り上げられているお店の9割がたは、我々(すくなくとも私)にとっては“あべの”エリアのものではないかと。もう何度も書いているこのネタ、あべの/天王寺のニュアンスの違いは地元民でさえひとそれぞれ。誰しもけっして行政区分で分けたりしない。
私自身の概念を言わせてもらえば、あの繁華街のすべてがあべの。かりに「天王寺MIO」で何かを購入しても、ひとには「これあべので買うた」と。天王寺というと公共施設、JR駅・公園・動物園…なにやら行政っぽい匂い、そして上本町や四天王寺あたりのイメージかな。あべのはさしずめ商業・娯楽の匂い。そう、天王寺区にある地下街を「アベノ地下センター」というではないか。
ただ関西以外にお住まいのかたにとって、この二極並立ほどややこしいことはない。これは遠方から来たあるかたが南河内に住む知人に会うために取ったルート。【御堂筋線の天王寺で降り、少し歩いて谷町線にのりかえ、ひと駅乗って阿倍野で降り、しばらく歩いて近鉄阿部野橋駅から南大阪線に乗った…】、地元民ならこれが喜劇的遠回りだとわかるはず。
ただし我々だって国内外どこかの街で同じようなことをしているはず、これを笑うわけにはいかない。そう、先日の阪神阪急「大阪梅田」よりもある意味やっかい。だからといっていまさらどちらかに統一することなんて絶対ムリ。なのでここまできたらヘンに結論めいたことを出さず、このあいまいな違い、地元民それぞれがもつイメージの違いを楽しんでいくしかないと思ってます。
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