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2019年10月11日13:30

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「イエスタデイ」〜マジカルでミステリアスな旅

目を覚ますとそこはビートルズが存在しない世界、彼らの楽曲を知るのは自分ひとりだった…観る側の意欲をこれほどそそる設定はほかにない。そしてビートルズ好きであればあるほど、さあ面白いものを作ってみろ、とハードルをめいっぱい上げてしまう。さてダニーボイル監督はこの思いに応えることができるのか…。主演ジャックを演じるのはヒメーシュ・パテル。

実にとっつきやすい口あたりのいい作品。ほぼこちらの読みをはずすことなく物語はテンポよく進んでいき、ビートルズ好きをくすぐる小ネタにもことかかない。中盤あたりからは、すべてを自分の作品と偽りスターの地位をものにしたジャックに漂う罪悪感が味わいどころ、そこから先はこの夢の世界が果たしてどんなカタチで収束していくのかという部分に興味は移っていく。

ヒロイン役リリー・ジェームズがチャーミング。“英国地方都市の中学数学教師”というイケてなさの象徴、いかにもな装いと訛りには苦笑。チョイ役だと思っていたエド・シーラン(本人役)はけっこうあちこちに。最初のうちはよくこんな役柄をと思ったが、これは彼のビートルズに対する敬意と現実世界の歌手代表として選ばれた名誉の表れだと、だんだん気づかされる。

この世から消えてしまったのはビートルズだけでなく他にもいろいろと…そして事の真相を知るかのような謎の人物も登場…このあたりは観る側の想像力をいやがうえにも高めてくれる。どちらにしても全編ビートルズにたいする敬愛の念に満ちあふれていて、あらためてその楽曲の素晴らしさに気づかされること確実、まちがいなく万人受けする楽しい作品でした。

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