「単なる皮下脂肪です」

ぽっこりしたお腹にムリヤリ力を入れると多少はへこんでくれる。そのとき上腹部のど真ん中にポコリとこぶのようなものがいつのまにか。直径500円玉よりやや大きめ。そこは7年前の心臓手術のとき、カラダの中心を上下にまっすぐメスを入れられたちょうど下端部分。私はもともとケロイド体質なので、メスの痕はあまり美しなくくっきりと盛り上がっている。

痛くもかゆくも違和感もない。それでもちょっとコワくなってネットでいろいろ調べる。するとそこにはもっとコワがらせることばかり書いてある。とにもかくにも月例検診のさいに行きつけのお医者に訊ねた。お医者はその部分を触りながら「おそらく単なる皮下脂肪です」と、そして「念のためにエコー検査しておきましょう、ついでの他の部分も」と。

診察台に横たわると腹一面にゼリー状のものを塗られる。カラダに密着した端末器がゆっくり動いていく。私のほうからモニター画面は見えなかったけど、肝心の箇所は触診どおり皮下脂肪とのこと、メスの痕との関連性もなし（大手術のあとは年月をかけて臓器の位置がずれるひとがいるらしい）。ついでに他の部分、胃やら肝臓やらも診てもらう。どこもまったく問題なし。

正式には脂肪腫というらしい。ほっておいてもいいけど、場所によってはカッコ悪いと切除するひともいるとか。いわゆるメタボリック・シンドロームの内臓脂肪とはまた別モン、まあこれはこれで私にとっては課題だけど。急に秋らしくなってきたきょうこのごろ、例年通りくしゃみと鼻水と目がシバシバ〜秋の花粉症になやまされながらも、とりあえずはホッとしたところです。