おせちにさまよう日々

おせち料理に関しては、生まれてこのかた母親の手作りしか口にしたことがなかったから、いざ出来合いのものを買うとなったらどこから手をつけていいのかわからない。ひとり暮らしとなり、ふだんたいしたものを食べていないだろう父親の元に集まるお正月、喪中だからといって質素に済ますのもなんだし、せっかくだからちゃんとしたものをいただこうと。

とりあえず近鉄百貨店・イトーヨーカドー・セブンイレブン・ファミリーマートそれぞれのおせち料理カタログを取ってきた。あまりにも多種多様多彩、お値段もピンキリで余計に迷ってしまう。12月に入るや一気に予約急増、売り切れ商品が続出するとのこと、早いこと選ばないと。まずは父親にジャッジを委ねると、さっぱりわからんからこちらにまかせるという。

そこでウチの嫁ハンと弟の嫁ハン、個別に希望の商品を聞いた。するとふたりは（細かい説明ははぶくけど）まったく対極にあるものを選んでしまった。これはどちらか片方にきめてしまうと新年早々角が立つ。そこでもう一度父親の選択に委ねた。結局のところイトーヨーカドーの「ふるさとおせち 東海の初春 五の重三段」が選ばれた。3〜4人前・税込21600円。

選んだ理由を父親に訊いたら、「豊（弟）が（三重県の）津（で単身赴任中）やから、なじんだ味のほうがええやろう」というほとんど説得力のないものだった。たぶん父親お気に入りの具材があったんだろう。名古屋コーチンか。どちらにしても予約手続きをし、大みそかにイトーヨーカドーまで取りに行き、大阪狭山の実家まで持参するのは私の役目です。ゆく年くる年。