mixiユーザー(id:2399973)

2018年11月24日16:00

187 view

「おかえり、ブルゴーニュへ」〜熟成のとき、成熟のとき

甲府盆地やトスカーナ地方では、ワイナリーにお邪魔して美味しいワインをいただいたことはあるけど、残念ながらブルゴーニュの地は未体験。四季の移ろいとともに美しく映える、フランスの田園風景がふんだんに描かれたこの作品、熟成したワインがやたらと飲みたくなるのはもちろんのこと、それ以上に獲れたての新鮮なブドウを口にしたくなる一本でした。

ブルゴーニュ地方でワインの生産を営む一家、その長男が10年ぶりに帰郷。妹や弟との再会もつかの間、長らく家業を率いてきた父親が亡くなってしまう。相続手続きがからんで問題続出、所有するブドウ畑をすべて売却せざるを得ない運命に。残された3人が結束して打破すべき難局ながら、それぞれが個人的な問題を抱えブドウの収穫時期もせまってきた。

物語の大きな枠組みや人間関係の機微だけをとらえると、なにやら倉本聰脚本のヒューマンドラマが思い出され、この三兄弟の感情のもつれ合いこそ日本でリメイクしてみたいと(そういえば同じくワインをテーマにした2005年「サイドウェイ」はリメイクされた)。そしてこういう手ざわりにはなぜか永瀬正敏を据えるのがふさわしいのではなんてことを思ったりも。

とはいえ、感情の起伏の激しさ、そして他者とのストレートなぶつかりあいはやっぱり欧米人というかフランス人。やっぱり人間もワインも熟成までには時間がかかるのか、というイージーなまとめかたで申し訳ないけど、どちらにしても生産過程の細やかな描写や専門用語の頻出など、ワイン好きにはこのうえなくたまらないシーンがいくつも味わえる作品だと思います。
24 2

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2018年11月>
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930