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2018年11月03日16:50

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「華氏119」〜トランプ・マジックの裏側

ツカミはOK、わかりやすさそして切れ味のよさはあいかわらず。今回はドナルド・トランプという、ターゲットとしてはこのうえなくふさわしい存在に向かって突撃。ただし単に彼の愚かさを暴くだけでなく、いまの立場を譲ってしまった民主党のダメダメぶりにも追及、けっして視点をひとつの側にとどめることなく、突撃は多角的にぐいぐいとテンポよく進んでいく。

政治家や行政、司法の側のヘタレ具合を照射することが全体の大きな軸とはなっているけれど、ミシガン州フリントにおける水道水汚染の問題や、フロリダ州の銃乱射事件がもたらした悲劇から銃規制運動に立ちあがった高校生たちの活動の様子を追いつつ、なぜいまのアメリカが歴史的にみてもけっしてハッピーとは言えず、分岐点に立っているかを解き明かしていく。

全体的に過去のムーア作品よりもシリアスかな。もちろんところどころにクスッと笑える要素はあるけども、アニメを駆使した状況説明やコミカルなイジリは控えめ、お得意のアポなし突撃も「これがウリだからここらでひとつはさんでおくか」程度、もちろん痛快だったけど。あと対応した行政の広報担当が、日本人的なふるまいの小人物だったのには苦笑してしまった。

もちろんこれが全体像ではないし、ムーアの切り口だけを信じるのはよくないと十分承知。それにしても荒廃したアメリカ社会ばかりを見せつけられ、やっかいな国やなあという印象が残ってしまった感あり。ふだん熱心にニュースを探っていないこちらの怠慢は棚にあげておくとして、へえ〜かの国ではこんなことが起きているのかと多面的に知ることのできた作品でした。
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