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2018年05月13日16:45

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【今日の読了 拡大版】 1970年 大阪万博の時代を歩く/橋爪紳也(歴史新書)

著者は大阪市長選に出馬経験もある建築史家。近代以降の“大阪物”著作多数、大阪のひとにはおなじみの知識人。今回は70年万博そのものだけでなく、前半では戦後の大阪のあゆみを簡単にふりかえっていて、これが実に興味深い。敗戦直後の大阪の様子が描写されているが、私が生まれたわずか十数年前のこととはとても思えない混沌ぶりだ。

そしていよいよ本題、日本中が熱をおびた70年万博の様子を実にわかりやすくたどってあり、“大阪万博概論”という表現がふさわしい記述が続く。当時私は9歳、今回まったく初めて知ったこともあったけど、それ以上に懐かしい思いのほうがずいぶん上回った。脳内記憶中枢に深く埋もれていた部分を急に刺激された感じ、まさにタイムカプセルを開けたかのようだった。

先日の酒の席で各世代が混じって万博の話題になり、私より10歳ぐらい上の世代のかたは、この国を挙げてのイベントにたいしてシラケて斜に構えてしまい、たいした思い出がないと。まあそのスタンスはなんとなくわかる。ハタチ前後というのは誰だってそんなもんです。そして私より若いかたは物心ついたかつかないか、万博なんて記憶にあるわけがない。

そう、万博開催時に“地元大阪に住む9歳の少年”だったことはとても幸せなことではないかといまにして思う。まだまだ何にたいしてもピュアでイノセントでシラケることなく真正面からぶつかって…。とにかくあの大阪万博を語らせたら日記何日分あっても足らないと。それだけ自分自身の人間形成に大きな影響をあたえた人生最初のイベントだったということです。
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