すべてはオリコミ済み

ある俳優が不祥事を起こしたせいで、きょうの朝日新聞朝刊の別刷り紙面、一週間分のテレビ番組表はすっかり抜き取られていた。彼がフロントページにデカデカと登場、しかもインタビュー記事が今回の件で放映中止となったドラマの番宣も兼ねていたから。まあ見ることのできないドラマにまつわる話題をあれこれ読んだところでどうにもならないし。

ところがこの別刷り紙面抜き取りの決定がギリギリだったらしく、同じ大阪府内でも折りこまれたまま配達されたところと、抜き取りが間に合ったところ（ウチですね）があったみたい。新聞社上層部による抜き取り決定、朝刊早版・遅版の印刷・発送のタイムラグ、そして現場というべき新聞販売所での抜き取り作業、それぞれのせめぎ合いが想像できて興味深い。

なかでも一番大変だったのは全国の販売所で働くみなさんだろう。チラシなどを折りこむほうに関しては、いまは自動で迅速に処理できる機器があるみたいだけど（そのせいで最近は夕刊にもチラシが入っていてちょっとやっかい）、抜き取るほうはおそらくすべてマニュアルで一部ずつという、実に大変な作業だったに違いない（案の定、けさの朝刊はいつもより遅く届いた）。

ちょっとした出来心からはじまった“不適切な関係”が、ここまで多くのひとに迷惑をかけていると、この俳優はわかっているのだろうか。デビューしたころは甘いイケメン役ばかりだったけど、直近で観た映画ではちょっとイヤなエリートを演じていて、これは新境地かなと思ったばかり。ちなみにその作品タイトルが「愚行録」というのだからなんとも皮肉なものだ。