この大阪はよくできている

立ち読みにてページをめくっただけなのでエラそうなことは言えないけど、エルマガジン社から出たばかりの「大人の大阪本」はなかなか興味深く、大阪に住むひとにもそうでないひとにもぜひおすすめの一冊。この「大人の…」というくくり、大阪のガイドブックには案外いままでなかったような気がするし。東京向けガイドブックではけっこうありましたけどね。

文化関係つまり古典芸能・美術・映画・建築などはきっちりツボを押さえているし、飲食店を中心とした各銘店に関しても、ハズすことのない直球勝負という印象。街歩きガイドといいながら読み物としても面白く、かつ資料集としても十分機能するはず。ただ古き大阪を語る存在に70年代生まれがけっこう多く、こちらがトシを取ったことをいやおうなしにも感じてしまうのだけど…。

そしてページを後半へすすめていくにつれて、ちょっと大人すぎたというのか、なんとなくこの領域を楽しむには（すでにこちら56歳の身でありながら）まだまだこちら若輩者やなあと思ったのも事実。さらに言うと、この領域にはまだまだ踏みこみたくないという気持ちもちょっぴり。それに“大人の大阪＝古き良き大阪”であることはかならずしもないのではと思ったり。

まあそのあたりは作り手のほうもよくわかっていて、サブタイトルに“温故知新の街歩きガイド”というフレーズがきっちり用意されていたりする。まあ、こちらとしてはまだまだ「Kansai Walker」や「Meets Regional」に載る新しい商業施設や新店オープンの情報なんかを見つつ、この変わりゆく街にワクワクしていきたいなあというところでしょうか。

↓エルマガジン社HP
http://www.lmagazine.jp/mook/MOOK6190694/