「ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー」〜この銀河系の片隅に

あの最初の「スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望」（←こんなサブタイトルいつのまについてたんや！）の開始10分前までを描くスピンオフ作品。10分前って言われてもなあ、40年前のはるか彼方の銀河系の10分前やしなあ。そもそも4作目以降はごっちゃになってるしなあ…こちら“スター・ウォーズ第一世代”とはいえ、この壮大な物語とはこの程度のスタンスなり。

最初は登場人物の相関・敵対関係を把握するのにちょっとモタモタ気味。ああこれはやっぱりSWマニア向けなのか、もっときっちり予習（ある意味復習か？）してくるんやったなあとやや反省。ところがいざ戦闘開始となるやこれがまたすさまじく、ラスト40分は圧倒されっぱなし。高度な技術を駆使することよりも、強引なパワーのほうが勝る戦いの連続、これが興味深い。

おなじみのキャラ〜人物・動物・ロボットだけでなく、戦闘機から武器まで〜が、わざともったいをつけられたように少しずつ登場する。それはまるでスター・ウォーズというとほうもなく巨大なアイコンの完成に向かって、ひとつひとつのピースをていねいに結びつけていく感じがする。マニアックなファンなら、おそらくスクリーンの片隅にもっと面白いものを発見するにちがいない。

そして物語がフィナーレを迎えるころには、すっかり立派なスター・ウォーズ作品。なにやら観る側も一緒になってこのスピンオフをはぐくんできたような感慨も。そしてエンディング、どんな10分前なのか…これがまた見事な切れ味を見せてエンドロールへ。この流れが何とも言えず、マニアックなファンならずとも思わず目頭が熱くなってしまう幕切れでありました。