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2016年07月30日15:15

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【真夏の名作再訪 1】 地球に落ちて来た男(1976)

40年前は道頓堀の「浪花座」で観た。パンフレットもしっかり買った。ただ高校生になったばかりの男子にはちょっと荷が重かった。物語中盤からは眠気との戦いをくりかえし、同行の友人は途中からグーグー寝ていた。映画そのものが難解でやっかいだったわけだけど、企業買収がどうとか株価がどうとかいうこともさっぱりわからなかったわけです。

だからといってわからない部分は、40年の月日を経てこちらが大人になったところでさっぱりわからない。今回観たのは139分の完全版ということだけど、ニコラス・ローグ監督が思いつくまま撮ったような感じをあたえる各シーンを、ランダムにつないでいくような作品全体のギクシャクした感触は、長尺になってさらに増幅したように思える。

40年間寝かせておくということは、登場人物のファッションや大道具・小道具の色彩、ツトム・ヤマシタの音楽等、ちょうどいまこの21世紀の時代にカッコよく映ってしまうレトロ・フューチャー感覚がそこかしこにあふれてしまうということです。まあいまタランティーノ監督なんかが確信犯的に多用する、ズーム機能などはやっぱり古くさく思ってしまいますが。

ことボウイに関していうと、宇宙人の役を演じるにはもっともふさわしい時期がこのときだったような。ジギーのころよりはずっとエキセントリックな雰囲気があるし(薬物依存のピークだったということもあるけど)、ごくごくふつうのプリントシャツを着たボウイが醸し出す妖気にくらべれば、「戦メリ」の彼などはとても健康的に見えてしかたないというところです。
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