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2016年07月13日16:00

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ボウイゆかりの地、正伝寺を訪れる(下)

京都の夏、うだる暑さのもとでさえなければ、この枯山水の庭園をいつまでもながめていたいと思った。あの龍安寺石庭とほぼ同じ、小学校のプール程度の大きさ。ただこの正伝寺に関しては、はるか遠くにそびえる比叡の山なみをはじめとして、外にひろがる借景がことのほか素晴らしい。外壁のすぐ向こうには桜の大木、そして紅葉の樹々、冬の季節には雪化粧…。

四季おりおりの庭園をとらえた写真が掛けられていたけど、それぞれが本当に美しかった。ぜひ春にも秋にも冬にも訪れてみたいと思った。【地図を見ればすぐわかるけど、このお寺の敷地はゴルフコースに周囲をかこまれていて、実際のところこの庭園のすぐ真下にはフェアウェイがいくつか広がっているはず。興ざめな話ですいません】

商売っけのあまりないお寺なのだろう、寺門をくぐるときから石庭にたどりつくまで、すべての空間が質素で地味なたたずまいに満ちていて、誰にも教えたくないけど誰にも教えたくなる隠し玉感をかもし出していた。それにしても思いがけない出会い。これからしばらくは、どなたかに「京都でおすすめの穴場は?」と訊かれたら間違いなくここ正伝寺の名前を口にするだろうと思う。

おそらくボウイのことがなければ、ここにやってくることは一生なかっただろうと。寺院好きのかたに言わせれば、何をいまさらとっくに知られとるわいということになるかも。いや、その通り、おそらく京都にはこういう名もなき名刹がいくつもあり、こちらが知らないだけなのだろうと思う。とにかくボウイに感謝するとともに、京都の奥の深さをあらためて感じた次第です。
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