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2016年05月27日16:15

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「マイケル・ムーアの世界侵略のススメ」〜ひとのふり見てわがふり直せ

今回のマイケル・ムーアはアポなし突撃取材にあらず。ひとことで言えばヨーロッパ諸国ルポルタージュ。伊仏独その他、ヨーロッパ各国がもつ素晴らしい社会制度に光を当てることによって、アメリカ社会の未熟さを浮き彫りにするという趣向。我々がふだん“欧米”とひとくくりにしてしまうふたつのあいだにもけっこうギャップがあることをあらためて認識。

他国のいいところだけにスポットライトを当てて、自国にたいする教訓とするなんていうことは、日本人が昔から得意としてきたところ。なのでいまさら感のある話の運びだけれど、おそらく一般的なアメリカ人って我々ほど外国のことを気にしてないんだと思う(劇中にもそういう発言あり)。だからこそいまにしてこういう作品が成立したのでは。

そこかしこにユーモアを織りこみながら、テンポよく進んでいくさまはムーア節とでもいうべきあいかわらずの切れ味。問題の矛先はアメリカ社会に向いているけれど、はたしてわが日本はどうなのかと自問自答してしまうことたびたび。さらにもしマイケル・ムーアが日本を対象にしたら、どういう美点に食いつくのだろうか、なんてことも考えた。

後半には非欧州国も登場、もちろん重要な問題を提示するけれど、あえてそこはカットして全体の尺を短くしたほうがスッキリしたかも。話の本筋には関係ないけれど、どこの国のみなさんもしっかりした英語を話すことにあらためて敬服。こういうのってひとつの“無形文化財”なんですよね。思いがけない曲が流れるノルウェー刑務所の場面では笑ってそして泣いてしまった。


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